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令和5年版厚生労働白書 全体版 (276 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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(基本ポートフォリオ)を定め、市場に与える影響に留意しつつ、年金積立金の管理・運
用を行っている。
2 年金積立金の管理・運用の考え方
年金積立金は、おおむね 50 年程度は取り崩す必要がない資金であるため、市場の一時
的な変動に過度にとらわれる必要はなく、様々な資産を長期にわたって保有する「長期運
用」により、安定的な収益の獲得を目指している。長期的な運用においては、短期的な市
場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合(基本ポート
フォリオ)を決めて長期間維持していく方が、効率的で良い結果をもたらすとされてい
る。GPIF では、基本ポートフォリオに基づいて運用を行っており、実際の運用における
資産構成割合が基本ポートフォリオからかい離した場合には適時適切に資産の入替え等
(リバランス)を行っている。
株式は、短期的な価格変動リスクは債券よりも大きいものの、長期的に見た場合、債券



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よりも高い収益が期待できることから、株式を適切に組み入れて運用することで、最低限
のリスクで年金財政上必要な利回りを確保することを目指している。また、国内だけでな
く、外国の様々な種類の資産に分散して投資することで、収益獲得の機会を増やし、世界

若者も高齢者も安心できる年金制度の確立

中の経済活動から収益を得ると同時に、資産分散の効果により、大きな損失が発生する可
能性を抑える運用を行っている。
GPIF が重視しているリスクは、「市場の一時的な変動による短期的なリターンの変動
(ブレ幅)」ではなく、「年金財政上必要とされている長期的な収益が得られないこと」で
あり、GPIF は、短期的なリターンの変動にも配慮しながら、長期的な収益が得られない
リスクを抑えることを重視した運用を行っている。
3 年金積立金の運用状況
GPIF の 2021(令和 3)年度の運用状況は、外国株式の価格上昇や円安の影響等によ
り、収益率+ 5.42%(年率)、収益額+ 10 兆 925 億円(年間)、運用資産額 196 兆 5,926
億円(2021 年度末時点)となり、自主運用を開始した 2001(平成 13)年度から 2021
年度までの累積では、収益率+ 3.69%(年率)、収益額+ 105 兆 4,288 億円(うち利子・
配当収入のインカムゲインは 43 兆 3,523 億円)となっている(図表 5-1-8)
。また、年金
積立金全体の実質的な運用利回りは、2001 年度以降の 21 年間の平均で 3.86%となり、
運用目標(実質的な運用利回り+ 1.7%)を上回っている。
なお、GPIF の 2022(令和 4)年度第 1 四半期から第 3 四半期までの運用状況(速報)
は、内外金利の上昇(債券価格の下落)の影響等から、収益率は▲ 3.71%(期間収益率)、
収益額は▲ 7 兆 3,252 億円(2022 年 4~12 月)、2022 年度第 3 四半期末時点の運用資産
額は 189 兆 9,362 億円となっており、自主運用を開始した 2001 年度から 2022 年度第 3
四半期までの累積では、収益率は+ 3.38%(年率)、収益額は+ 98 兆 1,036 億円(うち
利子・配当収入は 46 兆 4,116 億円)となっている。

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令和 5 年版

厚生労働白書