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令和5年版厚生労働白書 全体版 (365 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

2 国民健康づくり運動の展開

がん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの生活習慣病は、日本

人の死因の約 5 割を占めるなど、日本人の健康にとって大きな課題となっている。また、
死亡のリスク要因を見てみると、喫煙などの個人の生活習慣と、これらと関係する高血
圧、高血糖などが上位となっている(図表 8-4-2)。厚生労働省では、2000(平成 12)
年から一次予防の観点を重視した「21 世紀における国民健康づくり運動」(「健康日本
21」)を開始した。2003(平成 15)年には、健康増進法が施行され、2011(平成 23)
年からは、幅広い企業連携を主体とした取組みとして「スマート・ライフ・プロジェク
ト」を開始するなど、様々な取組みを進めてきた。2013(平成 25)年度からは、「健康
日本 21(第二次)」を開始し、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を最終的な目標として掲
げた。健康寿命とは「日常生活に制限のない期間の平均」の値を国民生活基礎調査と生命
表を用いて推計したものであり、「健康日本 21(第二次)」では、今後延伸が予想される
平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目標として掲げている。直近の 2019(令和
元)年での健康寿命は男性 72.68 年、女性 75.38 年となっており、2010 年(男性 70.42
中の平均寿命の延び(男性で 1.86 年(79.55 年→ 81.41 年)、女性で 1.15 年(86.30 年
→ 87.45 年)
)を上回るものとなっている。「健康日本 21(第二次)」の最終評価の結果等
を踏まえ、2022(令和 4)年 9 月より次期国民健康づくり運動プランの策定に向けた取
組みを進めている。
近年、がん、循環器疾患、糖尿病、COPD などを非感染性疾患(Non Communicable
Diseases:NCDs)という概念で一括りにとらえ、包括的な社会政策として取り組むこと
でなく、個人を取り巻く社会環境による影響が大きいため、地域、職場等における環境要

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因や経済的要因等の幅広い視点から、社会政策として包括的に健康対策に取り組む必要が



が国際的な潮流となっている。これは、NCDs の発症や重症化は、個人の意識や行動だけ

健康で安全な生活の確保

年、女性 73.62 年)と比べ、男性で 2.26 年、女性で 1.76 年延伸している。これは同期間

あるという考えに基づくものである。
「健康日本 21(第二次)
」の推進に当たっては、こう
した視点に立った対応が求められる。
非感染性疾患対策の重要性が増大していることや、近年の地域保健を取り巻く環境が変
化していることを踏まえ、2012(平成 24)年に「地域保健対策の推進に関する基本的な
指針」を改正し、地域のソーシャルキャピタル(信頼、社会規範、ネットワークといった
社会関係資本等)を活用して、住民による自助及び共助への支援の推進や地域の特性をい
かした健康なまちづくりの推進を図るなど、地域保健対策の推進の基本的な方向性や重要
事項を改めて示すとともに、2013(平成 25)年に「地域における保健師の保健活動に関
する指針」を改正し、地域保健を担う行政保健師が保健活動を行う上で留意すべき事項を
示した。本指針において、各自治体は体系的な人材育成を図ることとされており、2016
(平成 28)年 3 月、
「保健師に係る研修のあり方等に関する検討会最終とりまとめ」で自
治体における保健師の人材育成体制構築に向けた推進策が示された。これらを踏まえて、
自治体保健師の更なる資質向上及び人材育成体制の構築を推進している。
熱中症予防については、2022 年に「熱中症対策行動計画」を改定し、熱中症対策の計
画的な推進を図ることとしている。

令和 5 年版

厚生労働白書

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