会議資料 (235 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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⑤ 導入化学療法としての GEM+CDDP 治療効果
全 19 例の報告中、16 例に関して治療効果の報告を得た。
・CR :1 例
・PR :9 例
・SD :1 例
・PD :1 例
・non-CR/non-PD(標的なし):4 例
→評価可能であった 12 例(CR/PR/SD/PD)のうち、奏効(CR/PR)10 例=83%
⑥ 導入化学療法としての GEM+CDDP 対象症例
4 施設全てにおいて、導入化学療法としての GEM+CDDP 投与症例は「StageⅢ、ⅣA、
ⅣB の上咽頭がん(cT3N0M0, cT4N0M0 を除く、AJCC TNM 分類第 7 版)
」に該当する症例
であった。
これは既報【1】の導入化学療法の選択基準と一致していた。
1 施設から、「TPF 療法を施行したが 5FU 脳症を生じて TPF の継続が困難となり、
GEM+CDDP 療法に変更して治療を継続し、その後 CDDP+RT も完遂し完全奏効を得た症例
が報告された。
<まとめ(特に導入化学療法 GEM+CDDP について)>
導入化学療法の GEM+CDDP につき、本邦の 4 施設・計 19 例から使用報告が得られた。
施行症例の選択基準は、全施設において既報【1】に準じた「StageⅢ、ⅣA、ⅣB の上咽頭
がん(cT3N0M0, cT4N0M0 を除く、AJCC 7 版)」の範囲で使用が検討されていた。
奏効割合は 83%と、従来の報告(94.6%)
【1】に比してやや低くはあるが、実臨床の効果と
して十分な有用性が得られているものと考えられた。
有害事象に関して、他領域で使用されている GEM+CDDP 療法に比して、予期せぬ有害事
象を認めず、安全性は保たれていると考えられた。また、上咽頭癌に対する導入化学療法と
して本邦で頻用されている TPF 療法に比して、有害事象が軽度である可能性が述べられてい
た(なお、海外の既報でも同様の報告がなされている【2】)
。現在、本邦で汎用されている導
入化学療法 TPF 療法が施行困難な症例(例:TPF 療法による 5FU 脳症の発現など)であっ
ても GEM+CDDP 療法が検討できる場合もあり、この点においても重要と考えられた。
【1】Zhang Y, Chen L, Hu GQ, et al. Gemcitabine and Cisplatin Induction Chemotherapy in Nasopharyngeal
Carcinoma. N Engl J Med. 2019 Sep 19;381(12):1124-1135.
【2】Zhu J, Duan B, Shi H, et al. Comparison of GP and TPF induction chemotherapy for locally advanced
nasopharyngeal carcinoma. Oral Oncol. 2019 Oct;97:37-43.
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