会議資料 (179 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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肺結核、侵襲性肺アスペルギルス症、および多剤耐性大腸菌による慢性尿路感染症
の病歴があった。入院 15 年前に別の病院で CT 撮影によって結核と診断されてい
た。その当時は抗結核治療を受けていなかった。入院の 10 年前に胃癌の病歴があ
った。身長 163cm、体重は 45〜47kg の範囲であった。過去 5 年間の BMI は~17kg/m2
であった。
入院時の体重は 43kg。再発性の発熱(37〜38°C)と 6 ヵ月間続く夜間発汗を示し、
血清炎症マーカーがわずかに増加し、血清クレアチニン(Cr)と血中尿素窒素レベ
ルが上昇していた。CT 撮影では、発熱を引き起こしている可能性のある病変は認
められなかった。クエン酸ガリウムシンチグラフィでは、全身に放射性同位元素の
蓄積は見られなかった。IGRA(QuantiFERON-TB-Gold)はプラスであった。喀
痰の抗酸菌染色ではマイコバクテリウムは認められなかった。しかし、結核のリア
ルタイム PCR は、喀痰の 3 つの異なる液体培養物のうちの 1 つで陽性であった。
原因不明の発熱の原因を特定するために、FDG-PET / CT が実施された。FDG-PET
/ CT は、大動脈周囲リンパ節、腸間膜リンパ節、および腰椎における 18-フルオロ
デオキシグルコースの取り込みの増加を明らかにした。経皮的腰椎生検から得られ
た標本に基づく組織学では、類上皮細胞の遊走と、壊死性変化を伴わずに CD68 陽
性の多核巨細胞が形成されることが示された。Ziehl–Neelsen 染色では抗酸菌およ
び真菌は明らかでなかった。しかし、生検標本と喀痰の抗酸培養により、結核菌が
同定された。最終的に、腰椎炎とリンパ節炎の活動性結核であると診断された。
RFP、INH、MFLX の併用療法を 2 ヵ月間、続いて RFP と INH の併用療法を 4
ヵ月間開始し、発熱は急速に治まった。治療 6 ヵ月後に実施された FDG-PET / CT
は、大動脈周囲リンパ節、腸間膜リンパ節、肺門傍リンパ節、および腰椎における
フッ素-18-デオキシグルコースの取り込みの増加が認められた。発熱は再発しなか
った。抗結核治療は CKD の進行を止められなかった。1/Cr の傾きは抗結核薬によ
る治療後も有意に変化しなかった。抗結核治療から 8 ヵ月後、ESKD の維持透析を
開始し、現在は再発することなく透析を受けている。
④内田 哲郎ほか, モキシフロキサシン(MFLX)投与による偽陰性化が疑われたが
早期診断に至る事ができた頸部リンパ節結核および肺結核の一例.耳鼻感染症・
エアロゾル. 2015;3(2):84–85(企業文献 36)
症例
54 歳女性.東南アジア国籍.
主訴:左上頸部腫脹,咳嗽,発熱.
既往歴:糖尿病腎症(透析例),糖尿病網膜症.
現病歴:発熱、咳嗽、左上頸部の腫脹、圧痛が出現、前医にてセフカペンピボキシ
ル(CFPN)の 4 日間経口投与を開始、悪化したため CAM7 日投与で不変、さら
に MFLX 3 日間の内服投与により症状が軽快した。しかし、2 週間で再燃し、頸
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