会議資料 (227 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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1)Kodama H, Kadowaki S, Nakazawa T, et al. Safety and efficacy of gemcitabine plus cisplatin
against recurrent/metastatic nasopharyngeal carcinoma: A retrospective study. Anticancer Res.
2024;44(3): 1227-32. 23)
日本人の再発又は転移性の上咽頭癌患者を対象に、本薬とシスプラチンの併用(GC 療
法)の有効性及び安全性が後方視的に検討されている。調査対象期間は 2017 年 1 月から
2020 年 3 月であり、主な組入れ基準は、組織学的に確認された上咽頭癌を有し、Eastern
Cooperative Oncology Group performance status(ECOG PS)が 0 から 2、局所療法が適用にな
らない再発又は転移性疾患を持つことであった。GC 療法は、本薬 1 g/m2、day 1, 8 + シス
プラチン 80 mg/m2、day 1 を 3 週ごとであった。対象となった 14 例(年齢中央値 58 歳)
のうち、2 例は ECOG PS 2、11 例は非角質化組織型を示した。測定可能な病変を有する 8
例のうち、1 例は完全奏効、5 例は部分奏効を示し、客観的奏効率は 75%であった。PFS の
中央値は 7.7 ヵ月、OS は 24.2 ヵ月であった。多く見られたグレード 3 又は 4 の有害事象
は、好中球減少(64%)
、白血球減少(50%)、血小板減少(14%)及び発熱性好中球減少症
(14%)であった。本薬とシスプラチンの相対用量強度の中央値は、それぞれ 62%と 60%
であった。治療関連の死亡はなかった。結論として、GC 療法は有望な活性を示し、日本人
の再発又は転移性の上咽頭癌の患者に忍容であるとされている。
2)Enokida T, Uozumi S, Fujisawa T, et al. Gemcitabine monotherapy in patients with heavily treated
nasopharyngeal cancer: a case series. Int J Clin Oncol. 2017;22(6): 1009-14. 24)
本邦での使用経験として、2 レジメン以上の治療歴を有する再発・転移上咽頭癌に対する
単剤療法として本薬を用いた症例の後方視的検討が報告されている。対象となった 8 例の
うち、6 例が三次治療、1 例が四次治療、1 例が五次治療として本薬 800~1,000 mg/m2 を使
用されていた。治療効果として 1 例で完全奏効、1 例で部分奏効、4 例で安定が認められ、
全奏効率は 25%、病勢コントロール率は 75%であった。安全性として、グレード 3 の白血
球減少が 38%、好中球減少が 50%に認められたが、治療関連死亡は認めなかった。これを
受けて、本薬単剤療法は複数の全身療法治療歴を有する日本人においても忍容性があり、
有効な可能性があると結論付けられている。
(調査結果)
1)メディカル・データ・ビジョン社(MDV)の病院診療データベース(データ期間:2008
年 4 月から 2023 年 11 月まで)を用いた調査
上咽頭癌に対する本薬(先発医薬品又は後発医薬品を問わない)の使用実績を調査した
(調査日:2024 年 8 月 7 日)。調査対象とした MDV 社データベースは 2024 年 1 月末時点
で、国内急性期医療機関の約 28%〔4,627 万人、500 施設(がん拠点 243 施設を含む)〕をカ
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