会議資料 (175 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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(1)要望内容に係る本邦での開発状況(経緯)等について
開発なし。
(2)要望内容に係る本邦での臨床試験成績及び臨床使用実態について
1)医中誌で「(Moxifloxacin/TH or モキシフロキサシン/AL) and (結核/TH)」
の検索式で論文検索を行い 56 件が確認された(2025 年 5 月 26 日)。そのうち日本
の施設からの臨床報告 8 報を以下に示す。多剤耐性結核に関する報告は 2 件確認さ
れ、原著論文/症例報告 1 報(①)および薬剤耐性結核治療におけるフルオロキノロ
ン剤の使用状況に関するアンケート調査 1 報であった(②)。結核に関する報告は
6 報であった。原著論文/症例報告が 2 報(③、④)、会議録/症例報告が 4 報(⑤、
⑥、⑦、⑧)確認され、MIC に関する報告が含まれていた(⑧)。
結核許可病床を有する医療施設を対象としたアンケート調査により、多剤耐性結核
に対し MFLX は一定程度使用されている実態が推測できたが、日本人症例での臨
床報告は症例報告のみで少数例にとどまった。
①井澤 隆, 多剤耐性結核菌による脊椎結核 長期経過観察を行った 2 例.日本骨・
関節感染症学会雑誌 2023; 36:14-19(企業文献 33)
症例 2
患者:35 歳女性。
主訴:腰痛。
家族歴:国内出生。海外渡航歴なし。
既往歴:結核既往歴なし。合併症なし。
現病歴:腰痛にて近医受診し L5/S1 脊椎炎が指摘された(図 4)。肺病変は指摘さ
れず喀痰排菌も認めず。生検施行されるも菌同定されず、血液検査および画像所見
から脊椎結核と診断され INH/RFP/EB/PZA 内服開始した。治療開始 4 ヵ月後も腫
瘍の拡大を認めたため(図 5)他院へ転院し、前方後方固定術が施行された。術後
もさらに腫瘍が増大するため術後 1 ヵ月で再手術が施行された。その直後に初回手
術の術中検体より INH/RFP/EB/PZA/SM/PAS/LVFX 耐性の XDR-TB と診断され
当科紹介となった。
入院時現症:体温 36.9℃、下位腰椎付近の背部に軽度の疼痛と叩打痛あり。両下肢
神経症状なし。歩行を含め日常生活動作に問題なし。
入院時検査所見:白血球 5,780/mm3、CRP 1.1mg/dl、喀痰抗酸菌塗抹・TB-TRC 陰
性。胸部 X 線および胸部 CT にて肺野に特記所見なし。脊椎 MRI にて L5 椎体前
方から仙骨前方にわたる著明な腫瘍形成を認めた(図 6)。
臨床経過:抗結核薬は結核専門医と協議の上、投薬内容を決定した。5 ヵ月間の試
行の後( その間 RFP、SM、PZA、AMK、GFLX を使用し、発熱等の副作用にて中
止)、 INH/PAS/エンビオマイシン( EVM )/アジスロマイシン(AZM)/MFLX
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