会議資料 (218 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00044.html |
| 出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第66回 12/12)《厚生労働省》 |
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・治療内容:本薬(1 g/m2、day 1, 8)+ 白金製剤の併用療法とドセタキセル(75 mg/m2、
day 1)+ 白金製剤の併用療法を比較した。白金製剤としては、ネダプラチン
75 mg/m2(day 1)
、シスプラチン 75 mg/m2(day 1)又はカルボプラチン(AUC 5、
day 1)のいずれかとした。21 日を 1 サイクルとして、最大 6 サイクルまで投
与された。
・結果:113 症例が対象となった。本薬 + 白金製剤併用群の奏効率、PFS 及び OS はいず
れもドセタキセル + 白金製剤併用群に比して有意に優れていた。それぞれの有効
性は、奏効率が 71.4% vs 52.6%(p < 0.05)
、PFS 中央値が 9.7 ヵ月 vs 7.8 ヵ月(p
< 0.05)、OS 中央値が 20.6 ヵ月 vs 16.8 ヵ月(p < 0.01)であった。安全性につい
ては、グレード 3 又は 4 の副作用(白血球減少、貧血、血小板減少、嘔吐、腎障
害、肝障害)は両群で同程度であった。
・結論:転移上咽頭癌の一次治療において、本薬と白金製剤の併用療法は、ドセタキセル
と白金製剤の併用療法よりも優れた有効性を示した。
5)Hong S, Zhang Y, Yu G, et al. Gemcitabine plus cisplatin versus fluorouracil plus cisplatin as
first-Line therapy for recurrent or metastatic nasopharyngeal carcinoma: Final overall survival
analysis of GEM20110714 phase III study. J Clin Oncol. 2021;39(29): 3273-82. 13)
(NCCN ガイドライン引用文献)
本論文は、中国で実施された、再発又は遠隔転移を有する上咽頭癌についての多施設共
同、無作為化比較第 III 相試験 9) の最終 OS の解析結果を報告したものである。試験治療群
として本薬 + シスプラチン療法(GP)(本薬 1 g/m2、day 1, 8 + シスプラチン 80 mg/m2、
day 1 を 3 週ごと)、標準治療群として 5FU + シスプラチン療法(FP)(5FU 4 g/m2、96 時
間かけて投与 + シスプラチン 80 mg/m2、day 1 を 3 週ごと)が行われた。主要評価項目で
ある PFS について、GP は FP と比較して、有意な延長を示したことが既に報告されている
9)。本報告では、副次評価項目である OS についての最終解析結果が示されている。観察期
間は GP 群、FP 群でそれぞれ 69.5 ヵ月、69.7 ヵ月(中央値)であった。GP 群、FP 群でそ
れぞれ 148(81.8%)、166(91.7%)の OS のイベントを認めた。OS の中央値は、GP 群と FP
群でそれぞれ 22.1 ヵ月と 18.6 ヵ月(HR = 0.72; 95% CI = 0.58-0.90, two-sided p = 0.004)で
あった。1、3、5 年全生存率は、GP 群と FP 群でそれぞれ 79.9%(1 年)、31.0%(3 年)、
19.2%(5 年)と 71.8%(1 年)、20.4%(3 年)、7.8%(5 年)であった。GP 群と FP 群にお
いて後治療はそれぞれ 51.9%と 55.2%に実施されていた。すなわち未治療の再発又は遠隔
転移を有する上咽頭癌に対して、GP は FP と比較し OS を延長させた。GP は再発又は遠隔
転移を有する上咽頭癌の front-line での治療選択肢として考慮すべきであると結論されてい
る。
<日本における臨床試験等>
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