資料1‐1 令和6年度 業務実績評価書(案) (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59633.html |
出典情報 | 厚生労働省国立研究開発法人等審議会 高度専門医療研究評価部会(第39回 8/5)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
中 長 期 目 標
中 長 期 計 画
国立長寿医療研究センター
令 和 6 年 度 計 画
主な評価指標
年度評価
○評価の視点(定性的視点)
■評価指標
イ 加齢に伴う未解明の
病態の本態解明に関する
研究
フレイルやその原因の
一つと考えられているサ
ルコペニア等、加齢に伴
う心身の状態に関し、未
解明となっている病態に
ついて、予防、診断、治
療法開発につながる本態
項目別評価調書
1-1
法人の業務実績等・自己評価
主な業務実績等
(定量的視点)
自己評価
・認知症のバランス・歩
行障害との関連を明らか
にする。
・軽度認知障害(MCI)および早期アルツハイマー型認知症(AD)
を対象に体組成と死亡リスクの関連を調査し、体組成の中でも脂
肪量が多いほど死亡リスクが低いことを明らかにした(ハザード
比 [95%CI] = 0.49 [0.25 to 0.95])。また、MCIから認知症への <定量的指標>
コンバージョンと体組成の関係性も調査し、脂肪量を示す指標で
■加齢に伴う疾患・病態に関する医療の
あるFat Mass Index(FMI)が高い群は低い群と比較して、認知症 推進に大きく貢献する成果
へのコンバージョンリスクが低いことを示した。この結果から、M ・目標の内容
CIおよび早期ADの死亡リスクだけでなく、MCIのコンバージョンを 「大きく貢献する成果」には、1)加齢に
反映するマーカーとして脂肪量が有用である可能性が考えられた
伴う疾患の本態解明と治療法の開発、2)
。現在、論文(Relationship between body composition and mort 医薬品、医療機器、再生医療等における革
ality in patients with mild cognitive impairment and Alzhei 新的な基盤技術の創成数や発明件数、3)
mer’s disease: NCGG-STORIES)を作成中である。
治験等で寄与した医薬品等の数、4)著名
な学術誌に論文掲載されたもの、等が含
・認知症における転倒の原因を明らかにするため、AD 1,206名、
まれ、中長期目標期間中に 19 件以上あげ
レビー小体型認知症(DLB)111名、血管性認知症(VaD)49名にお ることを目指すもの。
ける姿勢制御の障害を重心動揺のパラメーターで解析した。ADで
・目標と実践の比較
は、閉眼状態において明瞭な姿勢制御の異常を示した。DLBでは前 中長期目標期間中に 19 件以上としている
後方向の位置に特徴がみられた(J Gerontol A Biol Sci Med Sci ところ、令和 6 年度は 4 件であった。(達
. 2024)。また、重心動揺のパラメーターが病型診断の鑑別に有
成率 125%)(主な業務実績等欄に記載)
用であるかを検証したところ、AD対DLB、AD対VaD、DLB対VaDのAUC
は、0.647、0.763、0.659であり、特にADとVaDの比較において良
■原著論文数
好な精度で鑑別できることを示した(J Am Med Assoc. 2025)。
・目標の内容
さらに、AD における姿勢異常の原因となる脳機能ネットワークの 原著論文数について、中長期目標期間中
変化を、一次視覚野との functional connectivity(FC)を用いて
に 1,700 件以上を目指すもの。
解析した(Aβ陰性認知正常者(CN-)59 人、Aβ陽性 CN+ 14
人、MCI 24 人、AD 15 人)。CN-、CN+、MCI+群では、開眼時は閉
・目標と実践の比較
眼時と比較して一次視覚野と小脳間の FC が有意に促進されてい
中長期目標期間中 1,700 件以上
たが、AD 群では逆のパターンを示した。FC を分析することで、
(年 283.3 件以上)
AD の新たな機能的バイオマーカーが得られる可能性を示した(J
令和 6 年度実績 355 件
Alzheimers Dis. 2025)。
(達成率 125%)
イ 加齢に伴う未解明の
病態の本態解明に関する
研究
イ
加齢に伴う未解明の病態の本態解明に関する研究
加齢に伴う未解明の病
態の本態解明を目指し、
中長期計画の下、次の研
究等を推進する。
加齢に伴う未解明の病態の本態解明を目指し、中長期計画の
下、令和 6 年度は次の研究等を推進した。
・個体老化に伴う免疫機
・個体老化に伴う免疫機能、特にウイルス感染に対する免疫応答
10 / 128
③ その他考慮すべき要素
特になし
以上から、研究開発成果の最大化に向け
て特に顕著な成果の創出や将来的な特別
な成果の創出の期待等が認められるもの
として、自己評価を S とした。