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最終評価報告書 第3章(Ⅰ~Ⅱ4) (77 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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3 各⽬標項⽬の評価に係る分析及び領域全体としての評価
<各⽬標項⽬の評価の要因分析>
① 脳⾎管疾患・虚⾎性⼼疾患の年齢調整死亡率の減少
循環器疾患領域の評価において最も重要な指標と考えられる脳⾎管疾患と虚⾎性⼼疾患の年
齢調整死亡率は、策定時(平成 22(2010)年)から3〜5年を経過した時点で既に⽬標を
達成しており⼀貫して減少基調である。
もともと脳⾎管疾患と虚⾎性⼼疾患の年齢調整死亡率の⽬標値は、収縮期⾎圧、喫煙率、脂
質異常症(⾼コレステロール⾎症)及び糖尿病の有病率という主要な4つの危険因⼦を改善させ
ることによる効果として設定されており、これらの危険因⼦と脳⾎管疾患・虚⾎性⼼疾患の死亡との関
連は、厚⽣労働科学研究

10)

で⾏ったコホート研究における危険因⼦と循環器系疾患死亡の関連

から算出されている。実際の4つの危険因⼦のうち、最終評価時点である程度改善を認めた因⼦は
収縮期⾎圧の平均値と喫煙率であり、⾼コレステロール⾎症は増加もしくは横ばいである。これらの危
険因⼦の今回評価時の値を元の回帰式に⼊れてみると、年齢調整死亡率は減少傾向にはなるもの
の実際の死亡率の改善は予測値を上回っていた。死亡率の減少には危険因⼦の管理だけでなく急
性期治療の進歩等も貢献していることが推測された。
② ⾼⾎圧の改善
評価は「B* 現時点で⽬標値に達していないが、改善傾向にある(⽬標年度までに⽬標到達が
危ぶまれる)」であった。
収縮期⾎圧の平均値については男⼥とも 10 年の推移でみた場合は減少基調だが、直近の2年
間(平成 29(2017)年と平成 30(2018)年)は男性で少し上昇基調を認めた。これは 60
歳〜69 歳と 70 歳以上の群で特に観察されたが、層化した年齢区分内の年齢構成が更に⾼齢に
偏ること等の影響も受けるため、このサンプル数で増加しているかどうかを判断することは難しい。⼥性
でも 70 歳以上は同じような動きを⽰しており、今後の計画で引き続き推移をみていく必要がある。
「循環器疾患の⽬標設定の考え⽅」に⽰すように、⾼⾎圧の改善には、栄養・⾷⽣活、⾝体活
動・運動、飲酒等の⽣活習慣の変化が関与していると考えられる。また、降圧剤の服薬率も上昇して
おり、本⽬標項⽬の改善の要因の⼀つと考えられる。
③ 脂質異常症の減少
評価は「C 変わらない」であった。
複数ある脂質異常症の検査項⽬のうち、病態⽣理学的に動脈硬化の成因として最も重要で、か
つ発症予測や予防治療介⼊の効果で最もエビデンスが蓄積されているLDLコレステロールを指標と
して⽤いることは妥当であると考えられる。総コレステロールには動脈硬化性疾患の発症と負の関連を
⽰すHDLコレステロールも含まれるため、LDLコレステロールの測定が正確であるという前提を置
けば、本項⽬の評価指標としてはLDLコレステロールの結果が優先されることが望ましい。
今回の最終評価では、4つの指標の評価を総括し、項⽬全体としては「C 変わらない」と評価され
たが、これは、LDLコレステロールの測定が正確であるという前提の下、評価指標としてLDLコレ
2.(2)循環器疾患

第3章 Ⅱ

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