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最終評価報告書 第3章(Ⅰ~Ⅱ4) (145 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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4 今後の取組と課題
<領域全体としての課題>
○ 上述したように、精神保健医療福祉領域においては「精神障害にも対応した地域包括ケアシステ
ム」の構築が政策理念として掲げてられている。このシステムは、精神障害の有無や程度にかかわら
ず、誰もが安⼼して⾃分らしく暮らせる地域共⽣社会を⽬指すものである。そのために、地域住⺠
全体を対象とした普及啓発、スティグマの減少、総合的な相談⽀援等の1次予防策、計画的な
地域の基盤整備、市町村ごとの協議の場を通じた精神科医療機関、その他の医療機関、地域援
助事業者、当事者・ピアサポーター、家族、居住⽀援関係者等との重層的な連携による⽀援体
制を構築していくことが求められる。
○ 虐待・犯罪被害・DV 等の暴⼒の減少、経済的困窮者の減少、雇⽤率(及び正規雇⽤率)
の上昇、住居の確保(ホームレスの減少)、住環境の確保(⼤気・環境汚染、室温、緑地等)、
教育の確保、メンタルヘルスリテラシーの向上、地域のつながりの強化といった社会的決定因⼦がメ
ンタルヘルスに好影響をもたらしうることが指摘されており

5)

、このような社会環境の整備が求められ

る。
○ 特に虐待等に代表される逆境的⼩児期体験(ACEs:Adverse Childhood Experiences)
が、⼼⾝にわたる広範な影響を与えることは広く知られるようになってきている。モニタリング可能な指
標の検討やトラウマインフォームドケア※1等の対策の普及が求められる。
○ ⾝体の⽣活習慣病とうつ病・不安症が⾼率に併存するというエビデンスは確⽴しており、健康⽇本
21(第⼆次)の他の分野(循環器疾患、糖尿病、飲酒、⾷⽣活・栄養、⾝体活動・運動、喫
煙、⻭・⼝腔の健康等)との連携が求められる。
○ 依存症は本⼈、家族に与える⼼理的苦痛や⽇常⽣活・社会⽣活への影響が⼤きく、その予防と
対策には適切な医療の提供や社会的な取組等が必要と考えられる。特にギャンブル依存症に関し
ては、平成 30(2018)年7⽉にギャンブル等依存症対策基本法が成⽴し、より⼀層の普及・
啓発活動と対策、研究開発が求められている。また、違法薬物に関しては犯罪であるとともに薬物
依存症という疾病という側⾯があり、本⼈が地域で孤⽴しないように国⺠に対する啓発を進めるとと
もに、治療・回復のための社会資源を増やし、社会資源へのアクセスを促進する必要がある。なお、
WHOによる国際疾病分類の最新版「ICD-11」において、「ゲーム障害」が正式に病名として認め
られている。

<各⽬標項⽬に係る課題>
① ⾃殺者の減少(⼈⼝ 10 万⼈当たり)
○ ⽬標の達成に向けて、引き続き⾃殺総合対策⼤綱 2)に基づく取組を推進していく。

※1

被⽀援者のケアを⾏う際に、過去にその⼈がトラウマを体験した可能性や、現在の症状・不適応的な⾏

動がトラウマの苦痛を和らげようとして⽣じている可能性を想定して⽀援者が関わること。
3.(1)こころの健康

第3章 Ⅱ

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