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最終評価報告書 第3章(Ⅰ~Ⅱ4) (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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③ 脂質異常症の減少
【指標設定の背景】
健康⽇本 21(第⼆次)では、脂質異常症の指標として総コレステロールとLDLコレステロール
の2つの指標が採⽤されている。
脂質異常症の指標は、諸外国ではスクリーニングやリスク評価には主に総コレステロールが⽤いられ
ている。総コレステロールは測定精度も良好で正確に測定でき、古くからある指標であるため、⽇本⼈
の⻑期的な脂質異常症の推移の評価に適している。また、総コレステロールは、LDLコレステロール、
HDLコレステロール、その他のコレステロールで構成されているが、通常、LDLコレステロールが最
も多くを占めるためLDLコレステロールの代⽤指標として使われてきた(⼀般的に総コレステロールが
⾼い者ではLDLコレステロールも⾼い)。
もう⼀つの指標となっているLDLコレステロールは、国際的にはフリードワルド式で総コレステロール、
トリグリセライド、HDLコレステロールから計算式で求めるのが標準であり、その際のトリグリセライドは
空腹時の測定を要求される。⼀⽅、LDLコレステロールの直接測定法は⽇本で開発され、国内で
は広く⽤いられているが、測定精度には国際的に疑義が提起された経緯があり、ほぼ解決をみたのは
平成 29(2017)年であったため

1)

、平成 28(2016)年までのLDLコレステロールの測定結

果を⾒る際には注意が必要である。特定健康診査では、フリードワルド式と直接法のいずれかを⽤い
てLDLコレステロールを測定してもよいこととされているが、実際にはほとんどの保険者が直接法を⽤
いていると推測される。
前述のとおり、健康⽇本 21(第⼆次)策定時にはいずれの指標も⼀⻑⼀短があるため、2つの
指標が⽬標値として設定されていた。なお、総コレステロールとLDLコレステロールの⽬標値の差が
80mg/dl であるのは、⽇本動脈硬化学会のガイドラインで総コレステロールとLDLコレステロールの
⼀般的な差がこの程度とされているためである。LDLコレステロールのカットオフ値も、動脈硬化性疾
患予防ガイドライン平成 29(2017)年版のスクリーニング基準の 140mg/dl(特定健康診査で
は受診勧奨値とされている値)ではなく、低リスク者の管理⽬標値である 160mg/dl に設定されてい
る 2)。
【今回の評価】
最終評価では総コレステロールとLDLコレステロールのどちらを⽤いても脂質異常症の代表的な
指標である⾼コレステロール⾎症の者(総コレステロール 240mg/dl 以上の者、LDLコレステロー
ル 160mg/dl 以上の者)の割合は、男⼥とも⽬標に達しておらず、横ばいもしくは悪化傾向であり、
総コレステロール 240mg/dl 以上の割合は、⼥性でベースラインと⽐較してむしろ悪化傾向であった
(図表Ⅱ-2-(2)-6、図表Ⅱ-2-(2)-7)。
項⽬全体としては4つの指標の評価を総合し、「C 変わらない」と評価される。
なお、本⽬標項⽬の指標である総コレステロール 240mg/dl 以上の者の割合は健康⽇本 21
(第⼆次)が始まる前から継続してデータが収集されているが、平成 12(2000)年から令和元
(2019)年までの 20 年間でみると、男⼥とも有意に増加している(図表Ⅱ-2-(2)-6)。

2.(2)循環器疾患

第3章 Ⅱ

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