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最終評価報告書 第3章(Ⅰ~Ⅱ4) (190 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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① 地域のつながりの強化(居住地域でお互いに助け合っていると思う国⺠の割合の増加)
【指標設定の背景】
地域のつながりが健康に影響することについて、ソーシャルキャピタルと健康との関連が報告されてい
1)- 5)



。ソーシャルキャピタルは、ある社会における信頼や相互利益、相互扶助に対する考え⽅

(規範)やネットワークから得られる資源である。また、健康でかつ医療費が少ない⽇本の地域の背
景に、「良いコミュニティ」があることが指摘されている。したがって、地域のつながりの強化(ソーシャルキ
ャピタルの⽔準を上げること)、「良いコミュニティ」づくりは、健康づくりに貢献すると考えられる。ソーシャ
ルキャピタルの指標としては、様々な指標が⽤いられているが、健康⽇本 21(第⼆次)では、継続
的に調査が可能である国⺠健康・栄養調査の調査項⽬である「居住地域でお互いに助け合っている
と思う国⺠の割合(平成 23(2011)年調査)」を指標として設定した。
なお、健康⽇本 21(第⼆次)策定時点では、平成 19(2007)年の少⼦化対策と家族・地
域の絆に関する意識調査(内閣府)で、⾃分と地域の⼈たちのつながりについて「強い⽅だと思う」と
答えた者の割合が 45.7%(「強い⽅だと思う」15.3%+「どちらかといえば強い⽅だと思う」30.4%)
であったことから、この設問及び回答率を、参考値とした。⾃分と地域の⼈たちのつながりについて「強い
⽅だと思う」と答えた者の割合について、性・年齢階級別でみたところ、70 歳以上で男性 66.7%、⼥
性 65.4%と最も⾼いことから、全世代がこの割合に達することを⽬指して、⽬標は 65%とした。
その上で、健康⽇本 21(第⼆次)開始後は、前述の「居住地域でお互いに助け合っていると思
う国⺠の割合」を指標として、国⺠健康・栄養調査で把握することとした。
【今回の評価】
○ ベースライン時(平成 23(2011)年)の 50.4%から中間評価時(平成 27(2015)年)
には、55.9%と増加したが、令和元(2019)年には 50.1%と、ベースラインと同⽔準となった
(図表Ⅱ-4-2)。
○ 地域のつながり(ソーシャルキャピタル)には、橋渡し型や結束型、連結型等の側⾯があるという
論議がなされている 2)4)5)。健康⽇本 21(第⼆次)で採⽤された指標は、ソーシャルキャピタル
の認知的な側⾯をとらえていると思われるが、橋渡し型と結束型のうちどちらを、あるいは両者をとら
えているのか、(将来の)健康指標と関連するのかどうか、(予測)妥当性等に関する科学的知
⾒があるのか明らかではない。これらの妥当性が検証されていない段階では、⽤いた指標が改善し
ていないことだけをもって、評価を下すことには⼗分な科学的な根拠があるとは⾔いがたい。

4. 健康を⽀え、守るための社会環境の整備

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第3章 Ⅱ