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最終評価報告書 第3章(Ⅰ~Ⅱ4) (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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○ 精密検査受診率は、多くのがん種で⼗分ではない。また、精密検査未把握率や精密検査未受
診率については、依然として⼀定の⽔準で推移している。引き続き、がん検診の受診者に、精密検
査受診の必要性を説明し、⾃治体に、精密検査実施機関等からの精密検査結果の把握を徹底
する等、精密検査実施率の改善に向けた対策を検討する必要がある。
○ 指針に基づかないがん検診の実施率は、85.4%と⾼い状況が続いていたことから、市区町は指
針に基づいたがん検診の適切な実施に努め、都道府県は、管轄する市区町村のがん検診の実施
状況を踏まえ、市区町村に対し必要な指導・助⾔等を⾏うよう体制を整備していくことが必要であ
る。
○ 職域におけるがん検診については、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」等の普及状況や
活⽤に当たっての課題等の把握を⾏いつつ、マニュアルの普及に取り組むことが必要である。
○ 職域におけるがん検診は、明確な法的根拠に基づき実施されているものではなく、保険者や事業
主により福利厚⽣として実施されている⼀⽅、有効性・安全性が確認された科学的根拠に基づく
検診が実施されることが望ましいことから、厚⽣労働科学研究班等の結果を踏まえつつ、職域の関
係者を踏まえた、幅広い対策を検討することが必要である。
○ 職域における検診受診状況の把握や精度管理を可能とするため、将来的には、統⼀化されたデ
ータ・フォーマットの作成や、データの集約について検討していくことも視野に⼊れることが必要である。
○ 英国内閣府の傘下に設置された組織である The Behavioural Insights Team(BIT)が、
ナッジ理論を実際の現場で使いやすい⼿法のフレームワークとして発表した「EAST」(Easy、
Attractive、Social、Timely)を活⽤することでがん検診受診に対する抵抗感を低減し、受診
⾏動に導くことが期待される。

<指標設定やデータに係る課題>
○ 死亡数の減少に関しては、全がんのモニタリングのみならず、がん種別のモニタリングと減少幅が⼩
さいがん種別の対策強化が必要であると考える。また、全国がん登録による罹患情報の精度が安
定すれば、診断時の進⾏度から検診の有効性の評価が可能となると考える。
○ がん検診受診率に関しては、我が国におけるがん検診は、住⺠検診、職域検診、⼈間ドック等が
実施されているが、その全体の受診率を正確に計測する⼿段がないことが⼤きな課題であると考え
る。
○ 現在、全体を把握するために、国⺠⽣活基礎調査をデータソースとしており⾃⼰申告によるサンプ
リング調査に基づいて把握されている。そのため、回答者の記憶が異なったり(数年前に受けたもの
を1年以内に受けたものと記憶等)、誤認(診療として受けた検査を検診と認識等)する場合も
あり、正確な検診受診率が計測されていないことも考え得る。今後、住⺠検診及び職域検診におい
て、対象者を把握した上で、より正確な受診率を算出することが求められると考える。福井県におい
て、地域・職域全数調査と⽐較した結果、国⺠⽣活基礎調査が、胃がん、⼤腸がん、乳がん、⼦宮
頸がんにおいて、6〜12 ポイント過⼤評価となるという結果も報告されている 11)。
○ 現状使われている国⺠⽣活基礎調査では、職域検診を受けている者の割合や経済的状況の格
差、住⺠検診のコールリコールの温度差等、様々な要因が複雑に絡み合っている状況であり、地域
2.(1)がん

第3章 Ⅱ

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