激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (96 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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己負担の減少、治療の質の維持・向上や医療保険給付費の適正化といった、
患者本人や医療保険者のメリットが大きいことはもとより、薬物治療の
標準化(医師の恣意性や能力格差による治療の質のばらつきの解消)や、
効率的・計画的な薬剤購入と在庫管理といった医療機関や薬局のメリッ
ト、効率的・計画的な在庫管理と配送業務の遂行といった医薬品流通業界
のメリットも大きい。一方で、取組事例は一部地域にとどまっており、政
策的にも、後発医薬品の使用促進の文脈で触れられている程度であり、そ
の推進力は不十分である。
「標準的な薬物治療」に資する取組として、地域フォーミュラリを強力
に推進すべく、薬務行政における対応にとどまらず、各医療保険制度にお
ける保険者インセンティブ制度の活用や医療介護総合確保基金による支
援など、国がリーダーシップを発揮して必要な施策を早急に実施すべき
である。〔資料Ⅴ-3-37 参照〕
カ)生活習慣病治療薬等の処方のあり方
生活習慣病治療薬の処方は、性・年齢、進行度、副作用のリスク等に応
じて、基本的には個別の患者ごとに医師が判断すべきものであるが、薬剤
の適正使用の推進の観点から、生活習慣病治療薬等について費用対効果
も加味した処方ルールを設定すべきである。例えば、高血圧薬については、
カルシウム拮抗系に比して高価とされる ARB 系が多く処方されている
が、英国のガイドラインでは、第一選択薬としてカルシウム Ca 拮抗系が
推奨される患者もいる。さらに、糖尿病用剤(内服薬)についても、安価
なビグアナイド系に比して、高価とされる DPP4系や SGLT2系が一般
的に処方されている。ところが、ビグアナイド系と DPP4系の間で合併
症の抑制効果に差はないとする研究もある。
また、地域フォーミュラリの活用により、処方ルールの実効性を高める
べきである。さらに、必要に応じ、症状が安定した慢性疾患への治療薬(降
圧剤等)のスイッチ OTC 化を推進するべきである。
〔資料Ⅴ-3-38 参
照〕
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