激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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その際、社会全体の生産性を向上する観点からも、これまで相対的に取
組が低調な中小企業における非正規労働者への人的投資を更に進めてい
くことが重要となる。〔資料Ⅲ-1-3参照〕
(4)多様な働き方・キャリア形成の実現
労働者が希望に応じて働ける環境の整備が重要である。女性の正規雇
用比率は 30 代以降低下(出産等を契機に非正規雇用化)しており、
「L 字」
カーブを描いている。これには、長時間労働を中心とした労働慣行、女性
への家事・育児等の無償労働時間の偏り、固定的な性別役割分担意識など
の複合的な要因があると考えられる。こうした状況の改善に向けて社会
の意識改革を進めるとともに、長時間労働の是正や働き方の柔軟性を高
めることにより、仕事と育児・介護等との両立に向けた環境整備を一層進
める必要がある。
また、非正規労働者の中には、今後の働き方として、短時間正社員等の
「多様な正社員」を希望する声もあり、その導入拡大など、多様な働き方
を確立させ、キャリア形成において労働者の選択肢を狭めないようにす
ることが重要である。〔資料Ⅲ-1-4参照〕
(5)労働者の主体的なリスキリングを促す労働市場環境の整備
個々の労働者自らが主体的にスキル向上・キャリア形成を図ることが
できる環境整備が重要であり、官民を挙げてその環境整備に取り組む必
要がある。キャリアアップや資格取得などを目的とした自己啓発に当た
っての課題として、目指すべきコース・キャリアが分からないという労働
者も多く、組織・企業の内外の労働市場において、個々の職務に応じて必
要なスキルを明確化して正当に評価し、処遇に結び付ける仕組みの整備
を進める必要がある。あわせて、職務に必要なスキルや賃金等に関するデ
ータの充実・
「見える化」を進めることが重要である。
また、特に非正規労働者において自己啓発の実施割合が低い中、失業給
付、育児・介護給付、教育訓練給付等が利用可能となる雇用保険の適用拡
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