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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (61 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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(3)安定供給


輸入米の機動的な活用
我が国は、米を関税化の例外とするための特例措置を受け入れたガッ

ト・ウルグアイ・ラウンド交渉(1986~1993 年)以降、MA 米として 77
万トン程度を国家貿易で輸入することとなっており、うち最大 10 万トン
に限り民間事業者が、その実需に応じて主に主食用として輸入可能
(SBS73枠)となっている。国内需給に影響を与えない趣旨から、残りの
MA 米は農林水産省が加工用・飼料用等として販売している。これに伴
い、差損の発生等により例年多額の財政負担が発生している(令和5年度
(2023 年度)は 684 億円)

SBS 枠における輸入量は、民間の需要に応じて変動しており、国内で
米が十分に供給されている状況では低水準となっているが、今般は、高米
価や各事業者が米を確保する動きを背景に、輸入米の需要がかつてなく
拡大している。具体的には、SBS 枠が全て使い切られたほか、MA の枠
外で、高い水準の関税を支払って輸入する事例が増加している。しかしな
がら、このような状況の下でも、SBS 枠以外の MA 米は加工用・飼料用
等としての販売が継続されている。
MA 米について、例えば、例年9月以降に実施している SBS の入札を
前倒しで行うことや、SBS 枠の柔軟化を行うことなどによって、民間の
実需に応じて主食用米として活用できる余地を高めることが望ましい。
そうすれば、気候等によって左右される生産量の変動を補完する国内需
給の調整弁として、生産量が需要量を上回るような局面では SBS 枠での
輸入量が減少することも含め、全体の米需給の安定化に資することとな
る。〔資料Ⅳ-4-4参照〕


備蓄のあり方の見直し
政府は備蓄米を、本来、著しい不作の場合に放出することを想定して保

SBS(Simultaneous Buy and Sell:売買同時契約)枠とは、国家貿易の枠内で、輸入業者と国
内の実需者をあらかじめペアで入札に参加させ、落札したペアの取引を国が仲介することで、実
質的な直接取引を認める仕組み。

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