よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (24 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

(金利上昇による利払費の段階的増加の懸念)
我が国の普通国債残高は 1,000 兆円を超えているが、金利上昇にもか
かわらず利払費がそれほど増加していないのは、過去に低い金利で発行
した国債が残存していることによるものである。しかし、今後の金利上昇
局面においては、利払費が大幅に増加することになる。仮に、令和8年度
(2026 年度)以降、金利がベースラインよりも1%上昇した場合の利払
費の増加幅を機械的に試算すると、新規の国債発行が高い金利で行われ
るほか、過去に発行した国債についても償還時の借換え17に伴い高い金利
に置き換わっていくため、利払費は段階的に増加し、令和 16 年度(2034
年度)の利払費は 8.7 兆円増加すると見込まれる。
〔資料Ⅱ-2-7、8
参照〕
(金融政策の調整が進む中での国債の安定消化に向けた課題)
国債の保有者別割合の推移を見ると、平成 25 年(2013 年)に日本銀
行が量的・質的金融緩和を導入して以降、日本銀行の保有割合が高まる一
方、国内銀行等の割合は減少してきた。また、海外投資家の保有割合は緩
やかに増加しており、特に国庫短期証券では全体の6割弱を占めている。
日本銀行が長期国債の買入れを縮小する中、民間試算では、国内銀行等に
よる追加的な国債消化余力は、金融規制等によって限度があり、日本銀行
保有国債の減少分の一部にとどまる可能性を示唆している18。
金融政策の調整が進められる中で、各種規制等を考慮した国内銀行等
の国債消化余力の度合いや海外投資家の保有割合の上昇の可能性等を踏
まえると、国債の安定消化のためには、財政に対する市場からの信認維持
が一層求められる。そうした中で、投資家ごとの投資行動を分析しつつ、
国内・海外を問わず、幅広い投資家層に対する国債の保有促進に努めるこ

令和7年度(2025 年度)における国債発行総額は 176.9 兆円(うち借換債は 136.2 兆円)が見
込まれている。
18 一部の民間シンクタンクは、一定の仮定を置いて試算すると、令和 22 年(2040 年)末時点の
日本銀行の保有国債残高が 120~250 兆円程度と、令和6年(2024 年)6月対比で 320~460 兆
円程度減少すると見込んでいる。一方、別の民間試算では、国内銀行等による追加的な国債消化
余力は、金融規制等により、150~200 兆円弱程度とされている。
17

-10-