激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (83 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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医師偏在対策の強化、そして、施行が本格化する「かかりつけ医機能報告
制度」の後押しともなるようなメリハリのある改定とすべきである。具体
的には、病院と診療所では経営状況や費用構造等が異なることを踏まえ
たメリハリある改定の実施や、地域での全人的なケアに資する報酬体系
の見直し、診療ガイドラインに基づく適切な疾病管理を踏まえた診療報
酬のあり方の見直し、医師偏在対策につながる診療報酬上の措置の検討、
リフィル処方箋の一層の利用促進に資する診療報酬上の対応等に取り組
んでいく必要がある。〔資料Ⅴ-3-12 参照〕
ア)基本的な考え方、現状認識
前述のとおり、医療費(薬剤費等除く)の伸びは、
「医療費の単価の伸
び」と「患者等の人口要因の伸び」で構成され、全体として医療機関の収
入増となって人件費や物件費(薬剤費等を除く)が賄われている。日本経
済が過去長らくデフレに直面し、賃金や物価水準が上昇しない中にあっ
ても、我が国の医療費は、高齢化等の人口要因に加え、診療報酬改定(政
策的な価格変更)によりおおむね上昇を続けてきた。
こうした医療費の増嵩は、現役世代の社会保険料負担を含む国民負担
の増加に直結するものであり、国民皆保険を堅持するためにも、病院と診
療所では経営状況や費用構造等に差異があることにも配意しつつ、全体
として診療報酬の適正化を図ることが必要である。〔資料Ⅴ-3-13 参
照〕
診療所における1受診当たりの医療費については、医科診療所全体で
見ると、コロナ禍以降に急増した。同時に生じていた受診延日数の減少に
ついては、コロナ禍前の水準に戻りつつあるものの、1受診当たりの医療
費は高止まりしている状況である。
物価上昇率との関係では、国民1人当たり医療費及び1受診当たり医
療費は、物価が低迷する中にあってもほぼ一貫して増加しており、令和元
年(2019 年)以降で見ても、物価上昇率が年平均 1.5%の伸びであるのに
対して、国民1人当たり医療費は年平均 3.3%、1受診当たり医療費は年
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