激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (41 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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これまで、私立大学の公立化の例は 12 大学存在している。過去の事例
においては、定員割れであった大学が公立化によって定員が充足された
ケースが多い37一方、地域内入学者率や地域内就職率は低下するケースが
多い38。また、公立化後に公費は大幅に増加する一方、自己収入は大幅減
39となっている。経営状況が悪化した私立大学について、私立大学のまま
救済を行う場合は自治体の持ち出しとなる一方で、公立化すれば運営費
に対して地方交付税措置がなされることにも留意が必要である。
定員割れとなり、経営改善を進めるべき大学について公費により安易
に救済することとなる一方で、地域の人材育成・確保に必ずしも裨益して
いない実態も見受けられることから、公立化についてはより慎重な検討
が必要であり、地域の実情も踏まえつつ、むしろ統廃合等によって規模の
適正化を進めていくべきと考えられる。〔資料Ⅲ-1-9参照〕
(5)増え続ける教員数と業務効率化の必要性
学生数に比して大学教員数は増加40を続けており、人数規模の適正化が
図られていない可能性があるが、制度面も含め、増加に歯止めがかからな
い要因を検証するべきではないか。また、教員の業務については、
「組織
運営のための会議」や「大学入試業務」が研究時間の制約要因の上位とし
て挙げられている。特に大学入試については、各大学による個別の学力試
験が合格者の決定方法として主流となっているのは主要国では日本だけ
であり、また、共通テストの得点率と二次試験の合格難易度にも一定の相
関関係が見られることから、効率化の余地が残されている可能性もある。
12 校中、公立化2年前に定員割れであった大学は 11 校あったが、令和5年度(2023 年度)に
おいては0校。
38 公立化2年前と最新年度の比較において、
地域内入学者率が低下した大学は 12 校のうち 10 校。
また、公立化3年後と最新年度の比較において、地域内就職率が低下した大学は 10 校のうち9
校。
39 1校当たりの公費投入平均額は、
公立化前年度が 2.1 億円であったのに対し、
最新年度では 11.4
億円。1校当たりの自己収入平均額は、公立化前年度が 15.5 億円であったのに対し、最新年度
では 10.1 億円。
40 対平成 16 年(2004 年)比の令和4年(2022 年)の学生数は、国立大学 95%・私立大学 105%
であるのに対し、同教員数は、国立大学 104%・私立大学 120%。
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