激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (70 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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担の増加に直結することに留意する必要がある。〔資料Ⅴ-1-5参照〕
社会保険料については、医療・介護の給付の伸びが雇用者報酬の伸びを
上回っており、結果として保険料率は上昇してきている。足もと、現役世
代の保険料率は、年金・医療・介護の合計で報酬の約3割85に迫る水準で
あり、今後も、医療・介護の保険料率は継続的に上昇することが見込まれ
ている。足もと、現役世代の保険料負担の増加が強く意識されるようにな
ってきている中、政府が一丸となって取り組んでいる賃上げを、若者・子
育て世帯の可処分所得の増加、ひいては消費の増加につなげていく観点
からも、給付の適正化や抑制等を通じ、マクロの観点から、医療・介護の
保険料率の上昇を最大限抑制する必要がある86。〔資料Ⅴ-1-6参照〕
特に、医療費について言えば、過去、高齢化や医療の高度化を背景に、
経済・物価が低迷する中にあっても、医療機関の総収入、言い換えると国
民負担の総額である医療費の総額は経済の実態の伸びを上回る形で継続
的に伸びてきている。足もと、経済全体が賃上げの方向にシフトしていく
中で、経済・物価動向に合わせて診療報酬を伸ばすよう求める声もあるが、
こうした過去の乖離が現役世代を中心とする国民全体の保険料率の上昇
をもたらしてきたことを十分に踏まえ、引き続き不断に制度改革を積み
上げていく必要がある。
〔資料Ⅴ-1-7、8参照〕
(4)医療の伸びと政策的対応可能性
医療費の伸びの要因を分解すると、人口増減や高齢化による部分は半
分強であり、予算による統制の外で行われる新規医薬品の保険収載など
令和6年度予算ベースの国民医療費と介護費用の合計約 63 兆円を基に計算。
事業主負担も含む合計保険料率(全国健康保険協会の場合)
。
86 「こども未来戦略」
(令和5年(2023 年)12 月 22 日閣議決定)の脚注 27 において、
「高齢化
等に伴い、医療・介護の給付の伸びが保険料の賦課ベースとなる雇用者報酬の伸びを上回ってお
り、このギャップにより、保険料率は上昇している。若者・子育て世帯の手取り所得を増やすた
めにも、歳出改革と賃上げによりこのギャップを縮小し、保険料率の上昇を最大限抑制する。」
とされている。
また、この点に関し、ミクロの改革項目の実施が遅滞する場合等を念頭に置いて医療・介護の
保険料率等について上限を定め、上限を超過する際に給付を自動調整するなどマクロの管理手法
を検討すべきとの意見があった。
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