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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (92 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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われてきているものの、更なる適正化の余地があると考えられる。したが
って、経営の実態を踏まえながら、処方箋集中率が高い薬局等における調
剤基本料1の適用範囲を縮小すべきである。〔資料Ⅴ-3-28 参照〕


費用対効果評価の活用・患者本位の治療
日本では、費用対効果を勘案することなく、薬事承認された医薬品は、

原則として全て、迅速に公的保険の対象となる(=「薬価収載」される)。
また、日本の医療現場では、医療を受ける患者の自己負担が低く抑えられ
ている中、一般にコスト意識が働きづらい構造となっており、医師の判断
に基づき自由に診療・薬剤処方が行われている。こうした我が国の医療保
険制度の特徴は、予算統制の枠外となっている薬剤費の総額が増加しや
すい構造につながっていると考えられる。また、日本の医薬品市場は、ド
ラッグラグ・ドラッグロスの課題が指摘される一方で、承認された新薬の
製品数は米国と遜色なく97、カントリードラッグ(日本でしか流通してい
ない新薬)が多いとの指摘もある。また、例えば、効果を維持しつつ減薬・
休薬を含む医薬品の適正使用を行うことは副作用の軽減にもつながるも
のであり、こうした患者本位の治療の確立に向けて一層の努力が必要と
の指摘もある。
薬価制度上の評価のメリハリ付けを一層推進することにより、革新的
新薬を開発・製造する製薬企業の成長をより一層促す一方、革新性の低い
新薬や長期収載品に依存する企業の再編を促していくことに加えて、費
用対効果などの経済性や患者利益を考慮した保険診療が効率的に行われ
る仕組みを構築することにより、現役世代の保険料負担軽減を含め、国民
皆保険制度の持続可能性を確保するとともに、創薬イノベーションの推
進を図っていくべきである。〔資料Ⅴ-3-29 参照〕
ア)医薬品の薬価収載(保険適用)のあり方
日本では、薬事承認された医薬品は、事実上全て、速やかに公的保険の
日・米における新薬の承認品目数を比較すると平成 26 年(2014 年)から令和5年(2023 年)
の 10 年間で承認された新薬は米国が 1,174 品目、日本が 1,232 品目となっている。

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