激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (35 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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生産年齢人口が減少する中、近年、多くの産業で人手不足が進み、特に
中小企業で深刻化している状況にある。また、離職者・退職者の増加が近
年の人手不足の最大の要因との指摘もあり、人材の獲得競争が激しさを
増している状況となっている。人手不足への対応策として、従業員の待遇
改善を行う企業の割合が特に増加しているものの、業績が改善していな
い中で賃上げを行う「防衛的な賃上げ」を行う中小企業の割合が高い状況
にあり、持続的・構造的な賃上げを実現していくためには、企業の業績・
生産性の向上が必要である。〔資料Ⅲ-1-1参照〕
(2)労働市場の現状と生産性向上に向けた課題
人材が希少となる中、限られた人的リソースをよりニーズの高い分野
や成長分野に効率的に配分することが重要であると考えられるが、必ず
しも高生産性部門への労働移動が活発とは言い難い状況にある。また、人
材流入が進む部門においても、宿泊、飲食サービス業など労働集約的かつ
低賃金の部門も多く存在している。
こうした中、社会全体の生産性を向上していくためには、特に低生産性
部門における省力化投資・DX 等による効率化を進めるとともに、企業内
外で生じる新たな業務内容等に対応するためのリスキリングの促進、労
働移動の円滑化により、社会全体として効率的な資源配分を実現するこ
とが重要である。あわせて、将来の労働市場や人的リソースの配分のある
べき姿を総合的に検討することが望まれる。〔資料Ⅲ-1-2参照〕
(3)リスキリング支援の方向性
経済社会の構造変化に対応し、個々人が学び直し・スキルアップを通じ
て、より高い賃金を得られる職務への対応力を備える必要がある。足もと、
生産性の向上に向けて省力化投資を増やす企業が増加している一方で、
企業が省力化投資を行うに当たって、コスト面での障壁に加えて、新たな
技術を活用できる人材の育成・確保が課題となっている。こうした企業の
事業戦略上必要な設備投資とそれに適合するリスキリングを一体的に進
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