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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (60 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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なお、マーケットの様々な声を的確につかみ取るためには、農地法によ
る規制の緩和も含め、法人経営・株式会社の積極的な参入71が鍵となる。
こうした者の参入は、農業人口の急減に対する対応として不可欠なもの
である。〔資料Ⅳ-4-2参照〕


コストやニーズ等を考慮した転作作物
現状、飼料用米や WCS 用稲72は、10a 当たりの販売収入が2万円程度

である中で、転作作物として 10a 当たり8~11 万円という高額な支援が
振り向けられているが、先に触れたように、ほかにも挑戦すべき米作りが
ある。
特に飼料用に供される米(政府備蓄米及びミニマム・アクセス(MA)
米として政府が保有するものを含む)については、国内で飼料として仕向
けられる穀物の 10%程度に過ぎない中で、毎年度約 2,000 億円もの巨額
の財政負担が生じている。さらに、現在の食料自給率 38%のうち、飼料
用米は 0.4%ポイント相当を占めるに過ぎない。他方、国内で飼料として
仕向けられる穀物の約8割を占める輸入とうもろこしは市場価格で流通
しており、これに対する財政支援は備蓄や急激な価格上昇時の激変緩和
に限定されている。
実態として、畜産農家に直接供給されているのは飼料用米の7%程度で
あり、配合飼料工場等で加工され、流通しているものが大宗であると考え
られる。このことを踏まえると、これまで生産・利用体制を構築してきた
産地の実情は勘案するとしても、転作の観点はもちろん、飼料政策の観点
からも、一律に高い単価で支援する必要性はなく、見直すべきである。
〔資
料Ⅳ-4-3参照〕

71

株式会社等による農地所有の要件については、農業関係者が保有すべき議決権の割合を引き下
げる等の特例が令和7年(2025 年)4月から認められることとなる。しかしながら、農地法に
おいて「農地所有適格法人」というカテゴリを設け、法人の農地所有について個人の場合には存
在しない様々な要件を課す原則的な取扱いについては依然として変化がないため、抜本的な見直
しを検討する必要がある。
72 WCS 用稲(ホールクロップサイレージ用稲)とは、穂のみならず茎や葉も含めて一体的に収穫
し、乳酸発酵させることで、乳牛や肉用牛の飼料として利用される稲のことであり、発酵粗飼料
用稲とも呼ばれる。

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