激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (63 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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(1)地域経済が潤う戦略的な観光地域づくり
観光産業は、地域資源等を活用して地域の消費や雇用を支える重要な
産業となっている。令和6年(2024 年)の訪日外国人旅行者数は約 3,700
万人となり、過去最多を更新した。また、訪日外国人旅行消費額について
も過去最高の約8兆円となり、自動車に次いで我が国の経常収支を支え
る重要な産業となっている。〔資料Ⅳ-5-1参照〕
他方で、これまでも地方誘客は課題であったが、コロナ禍以降、特に三
大都市圏への需要の偏在が加速化している。令和 12 年(2030 年)の訪
日外国人旅行者数 6,000 万人の目標達成やオーバーツーリズムの回避の
ためには、財源についても検討しつつ、地方誘客を推進していく必要があ
る。
今後、地方への誘客を進めていくに当たっては、アニメ・漫画などを含
む地域の文化資源や自然資源を活用した観光コンテンツの造成や、広域
連携による地域全体での戦略的な取組などが効果的と考えられる。広域
連携での地方誘客に成功している例としては、例えば「せとうちエリア」
が挙げられる。
「せとうちエリア」では、広域連携 DMO(観光地域づくり法人)など
を形成し、エリア全体の観光資源等を活用しながら、面として観光政策を
推進したことが成功の要因とされており、地域で広域連携を行いながら
戦略的に観光を推進していく重要性が示されている。
〔資料Ⅳ-5-2参
照〕
ほかにもそれぞれの地域が様々な課題を抱えているが、例えば奈良県
や千葉県は1人当たりのインバウンド消費単価が極端に低くなっている。
こうした地域を見ると、インバウンド消費単価のうち宿泊費が、他県に比
べて少なくなっており、訪問客数は多いものの、日帰り客が多くなってい
ることがその要因であると考えられる。このため、今後、魅力的な観光コ
ンテンツの充実や高付加価値な宿泊施設の招致などを含む戦略的な観光
地域づくりを行っていく必要がある。
〔資料Ⅳ-5-3参照〕
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