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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (77 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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3.医療
(1)我が国の医療保険制度の特徴と課題
日本の医療保険制度は、国民皆保険・フリーアクセス・自由開業医制・
出来高払いの4つの大きな特徴がある。
そうした中で、医療費は年々増加し、現役世代の保険料負担も増加して
いる。さらに、制度上の特徴として、公的保険でカバーする範囲が広く、
薬事承認された医薬品は原則として全て保険収載しており、一方で、医薬
品等に対する費用対効果評価の適用は限定的であることが挙げられる。
また、医療を受ける患者の自己負担が低く抑えられていることにより、コ
ストを抑制するインセンティブが生じにくい構造となっており、さらに、
国民の誰もが国内のどのような医療機関・医療技術にもアクセス可能で
ある。さらに、患者側と医療機関側とでは医療知識に対する情報の非対称
性がある中で、必要以上の医療サービスが提供されていないか十分に留
意する必要もある。
医療機関側としては、患者数や診療行為数が増加するほど収入が増え
るいわゆる出来高払いの仕組みが基本となっており、自由開業医制の下、
都市部の開業医が多いことなど地域間、診療科間、病院・診療所間の医師
の偏在が課題となっている。また、医療機関側で薬剤の適正使用等を促す
仕組みが欠如している。
このように、日本では医学的な必要性以上に過剰な医療提供を招きや
すい構造となっている。さらに、今後加速する「支え手(現役世代)」の
減少や、イノベーション等による医療の高度化・高額化の進展を踏まえる
と、質の高い医療を提供しつつ国民皆保険の持続性を確保していくため
の医療制度改革を確実に実施していかなければならない。
〔資料Ⅴ-3-
1、2参照〕
(2)質の高い医療の効率的な提供
今後も人口減少が進む中で、地域医療を支える関係者が一丸となり、地
域の希少な医療資源を可能な限り効率的に活用することによって、持続
-63-