激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (88 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
ディスインセンティブによる医師の行動変容につなげる仕組みが必要と
なるからである。また、このことは、メリハリの効いた政策誘導という観
点のみならず、医師少数区域への財政支援を継続的に実施していくに当
たり、国民負担を軽減する観点からも重要である。
具体的には、客観的な基準に照らして、ある地域の特定の診療科に係る
医療サービスが過剰であると判断される場合には、医療需要の掘り起こ
しが発生しているとみなし、当該医療サービスを「特定過剰サービス」と
して減算の対象とすることが考えられる。ただし、一律の減算は必ずしも
適当ではないと考えられることから、特定過剰サービスを対象とした(診
療科ごとの)アウトカム指標を設定・評価した上で、当該評価においてア
ウトカムが良好と判定された場合には、付加価値を適正に生んでいると
みなし、当該減算措置の対象から除外するといったことも考えられる。な
お、
「かかりつけ医機能」やレセプト情報・特定健診等情報データベース
(NDB)のデータをアウトカム指標の設定・評価に活用することも考え
られる。
実効性ある医師偏在対策のためには、こうした診療報酬上のディスイ
ンセンティブ措置が不可欠であり、適切なアウトカム指標導入とセット
で、付加価値の低い「特定過剰サービス」に対する減算措置を導入すべき
である。また、
「特定過剰サービス」に係る保険給付については、アウト
カム指標に応じた減算措置に加えて、
「特定過剰サービス」単位ごとに見
た医療費について、例えば対前年度から大幅に延伸するなど、一定の「基
準額」を超過した場合には、アウトカム指標を満たさない医療機関を中心
に、超過額の保険償還分を精算するといった仕組みをあわせて導入する
ことも検討すべきである。〔資料Ⅴ-3-21 参照〕
ク)医薬分業の進捗を踏まえた処方料・処方箋料のあり方
医薬分業とは、医師が患者に処方箋を交付し、薬剤師がその処方箋に基
づき調剤を行い、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担する
ことによって、医療の質の向上を目指すものである。なお、医薬分業の推
-74-