激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (64 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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ことが重要であり、大手フランチャイズなどに過度に依存しすぎること
のないよう地元資本の参画も促していく必要がある。さらに、観光人口・
交流人口による経済効果などを検証しつつ、それによって地域経済が潤
う観光モデルを構築していくべきである。
(2)文化資源を活用した収益力向上
重要文化財等については、保存・活用に要する費用に継続的に公費が投
入されているが、その財源を支える人口が減少する中で、指定・登録文化
財の件数は増加し続けており、予算額も増加傾向にある75。国所管の文化
施設についても、自己収入率が低く、国費に大きく依存している状況76で
ある。また、文化施設によって、公費の配分額に比して収益力に大きな差
が付いているのに加え、海外主要文化施設に比べて収益力が低い77傾向に
ある。
これらの文化資源については、地域の観光資源としての活用が期待さ
れるところであり、文化資源を持続的に継承するためにも、文化財保護法
や博物館法の目的に基づき、これらの活用を図り、一般公衆の利用に供す
ること等により、収益力向上を図ることが必要である。これを推進するた
め、政府としては、文化財の保存・活用のための補助金について、その活
用や自己収入増を促す補助制度とするとともに、文化施設について、目的
ごとの統廃合等による再編、自己収入や入場者数等による予算配分・組織
国指定等文化財件数は、平成 30 年(2018 年)が 29,145 件であったのに対し、令和6年(2024
年)は 32,262 件。文化財の保存・活用のための補助金の予算額については、令和元年度(2019
年度)が 445 億円であったのに対し、令和7年度(2024 年度)は 594 億円(いずれも予算額は、
各年度当初予算と前年度補正予算の合計額)
。
76 例えば令和5年度(2023 年度)の国立劇場等(国立劇場・国立演芸場・国立能楽堂・国立文楽
劇場・国立劇場おきなわ)の経常収益においては、自己収入 23 億円に対し、国費による収入が
77 億円。
77 例えば令和5年度(2023 年度)の独立行政法人国立美術館に属する各館の収益能力を見た場
合、国立新美術館は公費収益 4.7 億円に対して入場料収入が 5.0 億円あるのに対し、京都国立近
代美術館は公費収益 4.5 億円に対して入場料収入が 0.3 億円、国立映画アーカイブは公費収益
6.3 億円に対して入場料収入が 0.3 億円、国立国際美術館は公費収益 4.5 億円に対して入場料収
入が 0.7 億円にとどまっている。海外文化施設では、ルーブル美術館は公費収益 168 億円に対し
て入場料収入が 156 億円、メトロポリタン美術館は公費収益 33 億円に対して入場料収入 80 億
円を確保している。
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