激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (75 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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浸透していることなどが望ましい。また、介護については、保険内外のサ
ービスの適切な組合せにより、利用者の多様なニーズに即したサービス
へのアクセスが確保されていることが理想である。何よりも、医療・介護
両方に共通することとして、保険料の上昇が賃金の伸びの範囲内にとど
まっており、税も含めた形で給付と負担のバランスが確保され、医療・介
護制度が、将来世代を含めた全ての世代にとって安心を提供するセーフ
ティネットとして機能し続けていることが重要である。
次に、医療機関から見れば、診療所がかかりつけ医として幅広く患者の
症状やニーズをくみ取るとともに、高度・急性期医療を扱う病院に資源が
集中するなど、医療サービスが効率的に提供され、安定的な経営につなが
っていること、治療や投薬方法の標準的なモデルが確立し、地域間や同じ
症状の患者に対する医療サービスのばらつきが存在せず、より実効性あ
る重複投薬の防止や適切な薬学的管理が可能となっていることなどが望
ましい。
また、調剤薬局から見れば、服薬管理が中心的な役割となっており、医
師に代わり薬の処方を行うなど薬剤師の活躍の場が広がっていることな
どが理想である。
くわえて、介護事業者から見れば、ICT 活用を通じた生産性の向上に
より、効率的な介護サービスの提供や経営の安定化につながっているほ
か、職場環境整備により多様な人材が安心して働き続けることが可能と
なっていることなどが望ましい。
さらに、都道府県や市町村などの保険者から見た場合には、小規模な保
険者においては事務の共同化により効率的な運営が実現できていること
や、応能負担の実現に基づき保険料・利用者負担の設定が実現しており、
保険財政運営が持続可能となっていることが望ましい。
こうした理想的な姿を実現するために、今何を行うべきか、議論してい
くことが重要である。改革の議論に当たっては、保険制度に係る改革と医
療・介護の提供体制を両輪としながら、以下の視点から具体化を図ってい
く必要がある。
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