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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (45 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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かを問わず「渡し切り」になるという性質がある。
〔資料Ⅲ-2-1参照〕
対象となる企業の規模別に、補助金以外も含めて企業支援の推移を見
れば、第一に、中小企業対策費がコロナ禍を契機として急増し、いまだ平
時の水準まで戻っていない状況にある。第二に、GX・半導体及び経済安
全保障等を目的とする、大企業も対象に含む支援が大きく増加している。
こうした企業支援については、対象となる企業の規模等を踏まえた支援
の妥当性を精査する必要がある。〔資料Ⅲ-2-2参照〕
(1)効果的な中小企業支援とする必要性


中小企業支援の現状と足もとのニーズ
中小企業は、大企業と比較して資金調達やノウハウ等の点で経営資源

が不足する場合が多いとされ、規模の小ささゆえに生じるこのような不
利益を軽減するため、イノベーションの創出などの経済政策的な支援と
は別に、外部環境の想定外の悪化に対する支援など政府による社会政策
的な支援が行われてきた。
中小企業政策の基本理念が、
「多様で活力ある成長発展」といった経済
政策としての色彩が濃くなってきた中で、近年では、生産性向上や省力化
のための補助金がコロナ禍前から増加傾向となっている一方で、中小企
業の生産性は横ばいで推移44し、大企業との差は拡大している。
こうした中で、足もとでは、多くの中小企業が人材確保を優先度が最も
高い経営課題として捉えるとともに、賃上げを行う理由としては、離職防
止や新規採用の円滑化など、人材確保のための必要性が挙げられている。
また、賃上げに必要な取組としては、設備投資や補助金の拡充よりも、価
格転嫁のニーズが高いことがうかがわれる。
このため、優れた技術を持つ中小企業や成長が見込まれるスタートア
ップなど、それぞれの特性に応じた支援の重点化等を通じて、生産性の向
上や省力化による賃上げの実効性を高めていくとともに、適切な価格転
嫁による賃上げ原資の創出に向けた対応をこれまで以上に積極的に講じ
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価格転嫁が十分になされていないがゆえに付加価値が上がらず、結果的に大企業と比べて低い
生産性にとどまっているとの指摘もある。

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