激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (39 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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改め、大学全体の規模の適正化を早急に進めていく必要がある。
〔資料Ⅲ
-1-6参照〕
(2)大学教育の質の実態に応じた私学助成のメリハリ強化
収容定員充足率だけで教育の質を判断できるわけではないとはいえ、
定員割れとなっている私立大学の中には、義務・中等教育で学ぶような内
容の授業が行われている大学も見受けられる。義務・中等教育において解
決すべき課題も存在するものの、義務・中等教育で身につけた能力を基盤
として社会の発展の原動力となる高い能力や技能を有する人材を育成す
るという高等教育の意義を再確認し、教育の質を確保・向上することが急
務となっている。
大学の教育研究活動等の状況を評価するために認証評価制度が存在し
ているが、教育の質について事実上評価できていないのが実態であり、教
育の質や学生への付加価値等のアウトカム指標を設定した上で、エビデ
ンスに基づいて実効的・客観的に評価できる制度に改める必要29がある。
その上で、私学助成について、まず、学生数の実態に応じて助成額が増
減するよう改めるとともに、①高等教育にふさわしい教育を行っている
か(教育の質の絶対基準)、②学生の学問的成長に寄与しているか(学生
への付加価値基準)
、③社会で求められる人材を育成しているか(教育分
野30・地域性基準)等の観点から、認証評価制度を活用しつつ、メリハリ
を強化していくべきではないか。〔資料Ⅲ-1-7参照〕
29
中央教育審議会「我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~(答申)
」
(令和7年(2025 年)2月 21 日答申)においても、認証評価制度について、
「制度の抜本的見
直しが必要」「在学中にどれくらい力を伸ばすことができたのかといった大学等の教育の質を数
段階で示すなど、多様で高度な研究活動にも裏打ちされた高等教育による付加価値を明確化する
仕組みとすべき」とされている。
30 内閣府「人材育成に係る産業界ニーズの分析結果について」によると、例えば情報系業種にお
いては、業務に重要な学問分野としては「情報系」を 60%の者が挙げている一方、同業種従事者
の出身学問分野における「情報系」の占める割合は 22%にとどまっており、必要とされる能力と
実際に学んでいる学問分野にギャップが生じている。こうした人材ニーズに比して人員が不足し
ている学問分野や、さらには経済成長に欠かせない科学技術・イノベーションの推進に貢献する
人材を輩出するような教育を行っている場合には、加点対象とすることが考えられる。
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