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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (66 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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Ⅴ.持続可能な社会保障制度の構築
1.総論
我が国の社会保障制度は、年金・医療・介護について相互扶助の考えに
基づく社会保険方式を基本としている。国民皆保険・皆年金制度が確立し
た昭和 36 年(1961 年)以降、負担能力等に見合う形で保険料を設定す
るとともに、公費(国費・地方費)も活用する形で、国民が負担を分かち
合いながら、国民の誰もが直面する高齢や疾病といったリスクに対応し
てきた。
今では多くの人が忘れているが、昭和 25 年(1950 年)の日本の平均
寿命(出生時の平均余命)は、男性 58.0 歳、女性 61.5 歳で欧米先進諸国
よりはるかに短かった。それが今日、誰もが知るように日本が男女とも世
界で最も平均寿命の長い国の一つになったのは、戦後の日本が成し遂げ
た最大の成果の一つである。これをもたらしたのは、経済成長による1人
当たり所得の上昇、医学・医療技術の進歩と関係者の努力もあるが、それ
らと並んで国民皆保険・皆年金制度が果たした役割も大きいことを忘れ
てはならない。その意義は今日も全く変わっていない。
医療保険は、個人の経済力では対応出来ない健康上のリスクを軽減す
るものである。例えば、現在1件当たりの医療費は、月額最大約 1.8 億円
79となっている。これが到底、一個人では対応できない大きなリスクであ

ることは誰もが容易に理解できるだろう。これは、共助の精神の下、リス
クを分散し皆で支え合う社会保険という仕組みだからこそ可能であるこ
とを改めて認識する必要がある。
社会保障制度は、国民の健康・長寿と生活の安定をもたらし、経済社会
の発展にも貢献してきたが、高齢化の更なる進行や高額な薬剤の登場な
どに伴い、医療費等が継続的に増加する中で、保険料や税などの国民負担

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健康保険組合連合会「令和5年度高額医療交付金交付事業における高額レセプト上位の概要」
(令和6年(2024 年)10 月 3 日公表)による、令和5年度(2023 年度)の高額レセプト第1
位に係る月額医療費。

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