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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (32 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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禍前の水準”に戻る見込みであることが分かる。諸外国の動向も踏まえ、
まずは直近の有事であるコロナ禍前の水準に向けて債務残高対 GDP 比
を引き下げていくことを目指すべきである。〔資料Ⅱ-3-11 参照〕
民間シンクタンクのシミュレーションによれば、一定の経済成長率、金
利等の前提の下でプライマリーバランス黒字が対 GDP 比2%程度で推移
した場合、国・地方の公債等残高対 GDP 比は安定的に低下し、プライマ
リーバランス黒字が同1%程度で推移した場合は、おおむね横ばいとなる
見込みが示されている。
〔資料Ⅱ-3-12 参照〕
以上を踏まえると、骨太 2024 で定められた経済・財政新生計画の枠組
みを維持しつつ、2025 年度から 2026 年度にかけて、可能な限り早期の
プライマリーバランス黒字化を目指すべきである。そして、その黒字化を
あくまで通過点として、一定のプライマリーバランスの黒字幅を確保し
つつ、まずは 2030 年度までに、債務残高対 GDP 比について、コロナ禍
前の水準に向けて安定的に引き下げることを目指すべきである。今後も、
状況に応じて必要な政策対応を行っていくことに変わりはないが、債務
残高対 GDP 比を安定的に引き下げていくためには、プライマリーバラン
ス黒字化を実現した後においても、一定の黒字幅を確保する必要があり、
どの程度の黒字幅が必要であるか、今後更に検討していくことが求めら
れる。
なお、今後我が国で更なる財政健全化に取り組んでいくに当たっては、
財政の現状や課題に対する国民の理解を醸成することが大前提である。
「Ⅰ.基本認識」で述べたように、財政の健全化とは、我々の生活を支え
る社会保障からインフラ整備、災害対応など個々人では対応できない公
的サービスが大きく損なわれるリスクを回避するための努力にほかなら
ない。時代が大きく変わる中で、持続可能で豊かな社会を実現していける
よう、建設的な議論を重ねていくことが肝要である。そのためにも、フュ
ーチャー・デザイン27の考え方を社会に浸透させていくための取組が有効
27

フューチャー・デザインとは、将来世代は現在の政策決定に意思を反映できないという問題意
識に立ち、現世代が将来世代の役割を演じるなどの手法により、将来可能性(将来世代の利益の

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