激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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人口減少下における経済社会の持続的な発展のためには、人的資本の
蓄積に向け、人材育成の強化がより重要となる。特に高等教育については、
未来を担う人材の育成や、社会の新たな価値の創出に欠かせない役割を
果たすべきものであるが、少子化・人口減少が急速に進行する中で、安定
的・持続的に教育の質を確保するため、その全体の規模の適正化を含め、
社会の変容に対応していく必要が生じている。
(1)人口減少と大学全体の規模の適正化
18 歳人口が大幅に減少(平成元年(1989 年)から令和6年(2024 年)
にかけて約5割、約 90 万人の減少)している一方、大学数は大幅に増加
している(同期間において 314 校増)
。また、学生数が増加(同期間にお
いて 70 万人増)し、大学進学率が向上(同期間において 25%から 59%
へ)しているにもかかわらず、私立大学全体の入学充足定員率は低下を続
けており、足もとでは 100%を下回り、約6割の私立大学が学生から選ば
れずに定員割れを起こしている。平成 28 年(2016 年)以降に新設され
た 44 大学についても、約7割が定員割れしている状況であり、適切に設
置認可審査が機能していない可能性がある。そうした中で、私立大学等経
常費補助金の令和5年度(2023 年度)における学生現員1人当たり補助
額は定員割れ大学の方がむしろ大きくなっている28。
急速な少子化が進む中、文部科学省の推計によれば令和 22 年(2040
年)には大学進学者数は現在の定員規模の約 73%である約 46 万人まで減
少すると予測されていることなどを踏まえると、安定的・持続的な教育の
質の確保に支障が生じるおそれがある。このため、政府として、設置基準
や設置認可審査の厳格化に加え、定員減・統廃合・撤退などの措置につい
ても、学生の学びの継続のためのセーフティネットや地域における実態・
特性にも配慮しつつ、これらの円滑化のために障壁となっている規制の
学生現員1人当たり補助額は、収容定員充足率 90%以上の大学が 14.67 万円であるのに対し、
同 90%未満が 14.73 万円。
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