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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (40 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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(3)教育の質の向上につなげるための修学支援のあり方の見直し
令和2年度(2020 年度)以降、修学支援新制度31により、授業料・入
学料の減免と給付型奨学金の支給を実施しており、大学進学率は着実に
上昇32しているが、一方で、特に制度開始前に収容定員充足率が9割未満
であった私立大学について、学生数増や収益改善の傾向33が見られる。
また、貸与型奨学金について、返済負担については、大卒者の給与水準
等を踏まえると必ずしも過重ではない34と考えられる。一方でその延滞者
(延滞期間3か月以上の者)については、特に定員割れの私立大学の出身
者の延滞率が高く、延滞者の正社員率が非延滞者と比較し相対的に低く、
無職等35率が相対的に高い36状況であり、高等教育の修了に見合う収入を
得られる職業に就けるだけの学修ができていないことが示唆される。
このように見れば、現状は、高等教育に相応しい教育を行っていない機
関にも国費が投入されている可能性がある。大学の教育の質に応じ、支援
対象の絞り込みや支援額に差を付けるなど、一定の教育の質が確保され
ている大学に対して国費が投入されるよう、修学支援のあり方を見直す
ことで、教育の質の向上につなげる制度としていくべきである。
〔資料Ⅲ
-1-8参照〕

31

大学等における修学の支援に関する法律(令和元年法律第8号)附則第4条等に基づき、消費
税財源を活用している。
32 令和2年(2020 年)の 54%から、令和6年(2024 年)では 59%へ上昇。
33 令和5年度(2023 年度)における学生数(大学当たり平均)は、令和元年度(2019 年度)の
収容定員充足率が 90%以上であった大学については同年度比▲0.15%であるのに対し、同年度の
収容定員充足率が 70%未満であった大学については同年度比+15.70%。令和5年度(2023 年度)
における収支(1校当たり平均)は、令和元年度(2019 年度)の収容定員充足率が 90%以上で
あった大学については同年度比▲0.2 億円であるのに対し、同年度の収容定員充足率が 70%未満
であった大学については同年度比+0.4 億円。
34 1 か月当たり平均返済額は無利子奨学金 1.2 万円、有利子奨学金 1.8 万円に対し、高卒と大卒
の平均初任給(1 か月)の差額は 5.1 万円。なお、日本の1人当たり奨学金債務額 20,645 ドルに
対し、米国は 38,374 ドル、英国は 74,569 ドル。
35 無職等:無職・休業中・休職中。
36 国立大学の出身者の延滞率は 1.2%、収容定員充足率 90%以上の私立大学の出身者の延滞率は
2.3%であるのに対し、同 90%未満の私立大学の出身者の延滞率は 2.8%。無延滞者の正社員率
75%、無職等率 4%に対し、延滞者の正社員率 41%、無職等率 16%。

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