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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (29 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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3.財政健全化に向けた取組
(1)我が国の財政健全化に向けた取組
我が国は、現在、骨太 2024 に基づき、財政健全化目標として、2025 年
度の国・地方を合わせたプライマリーバランス黒字化を目指してきた23。
また、2030 年度までを通じて、その取組の進捗・成果を後戻りさせるこ
となく、債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げることを掲げている。
〔資
料Ⅱ-3-1参照〕
(プライマリーバランスの黒字化の重要性)
債務残高対 GDP 比の増減要因には、①プライマリーバランス、②経済
成長率と金利の大小関係がある。後者について、市場で決まる名目金利と
名目経済成長率は、いずれも政府が決定する政策変数ではなく、その将来
の水準について確たることを見通すことができない。さらに、各国におい
てコロナ禍以降に実施されてきた大規模な資産買入れなどの非伝統的な
金融政策が見直されている状況や、過去における経済成長率と金利の推
移を踏まえれば、経済成長率が金利よりも高い状況が継続するとの楽観
的な見通しに立って財政運営を行うべきではない。
〔資料Ⅱ-3-2、3
参照〕
実際に、各国の債務残高対 GDP 比の伸びを、プライマリーバランスの
要因とそれ以外の要因(成長率、金利、その他)に分解すると、我が国も
主要先進国においても、債務残高対 GDP 比の増減の多くは、プライマリ
ーバランスの要因によるものであることが見て取れる。これを踏まえれ
ば、債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げていくためにはプライマリー
バランスの黒字化が重要であり、歳出改革の取組の継続、歳出構造の平時
化等を図っていく必要がある。毎年度、歳出改革努力として、歳出の目安
に沿った規律ある予算編成を行っているのはこのためである。これが現
在の枠組みの要諦である。〔資料Ⅱ-3-4参照〕
23

本年1月に内閣府が公表した「中長期の経済財政に関する試算」では、2025 年度の国・地方を
合わせたプライマリーバランスは、黒字化しない見込みとなっている。

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