激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》 |
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〔資料Ⅴ-3-14 参照〕
イ)診療所の経営状況を踏まえた対応
令和6年度(2024 年度)診療報酬改定は、病院・診療所の令和4年度
(2022 年度)の経営状況を踏まえて実施したところである92。
直近で把握可能な令和5年度(2023 年度)の医療機関の経営状況につ
いて、厚生労働省が全国の医療法人の事業報告書等を集計したデータを
確認したところ、病院のみを経営する医療法人の利益率は 2.1%であった
のに対し、無床診療所のみを経営する医療法人の利益率は 8.6%であり、
中小企業の全産業平均である 3.6%よりも高い水準であった93。
令和 8 年度(2026 年度)診療報酬改定においては、令和6年度(2024
年度)の医療機関の経営状況について、足もとの物価高騰の影響含め、本
年末に判明する医療経済実態調査等のデータを病院・診療所等それぞれ
の類型ごとに精緻に分析した上で、窓口負担・保険料負担・公費負担で支
えられている医療保険制度を通じて医療機関にもたらされる利益が、国
民・患者の視点から見て妥当なものかどうかについても検討しつつ、国民
負担の軽減と必要な医療保障のバランスを図りながら、メリハリある対
応を検討する必要がある。〔資料Ⅴ-3-15 参照〕
ウ)全人的なケアの実現に向けて
令和7年(2025 年)4月にかかりつけ医機能報告制度がスタートし、
地域の患者は、今後、かかりつけ医機能を有する医療機関を選択して利用
することが可能となる。それぞれの地域で、住民の医療ニーズの動向を的
確に捉え、医療機関相互間の役割分担・連携が進められる中で、地域住民
に身近な立場で全人的なケアを総合的かつ継続的に行う医療機関が選択
されることが重要である。
令和8年度(2026 年度)診療報酬改定は、こうした全人的なケアを重
92
例えば、令和4年度(2022 年度)の診療所の利益率は、厚生労働省が実施した医療経済実態調
査では 9.7%、財務省が実施した機動的調査では 8.8%であった。
93 なお、1 法人当たりの本来業務に要した費用については、診療所・病院ともに微増していた。
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