よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (30 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

(2)諸外国における取組・国際的な議論の動向
世界最悪水準の債務残高対 GDP 比を抱える我が国の財政構造は、金利
上昇に対して脆弱である。
「金利のある世界」になり、さらに金利が上昇
する局面になった。このような状況においては、市場や国際社会からどの
ように見られているかをより強く意識する必要がある。
この点、IMF からは、金利が上昇する中、今後起こり得る災害などに
対処するための財政余地が限られており、
「財政再建を“今”始めること
が非常に重要」との指摘を受けている24。〔資料Ⅱ-3-5参照〕
こうした中で、我が国の財政に対する市場からの信認を維持していく
ためには、我が国の政策フレームワークについては、主要先進国のスタン
ダードと軌を一にする必要がある。〔資料Ⅱ-3-6参照〕
そうした観点から諸外国の財政規律について見ると、IMF によれば、
調査対象 106 か国のうち 78 か国が、フローの規律(収支ルール又は歳出
ルール)とストックの規律(債務ルール)を組み合わせた財政ルールを導
入している。さらに、債務ルールを導入している 85 か国のうち 81 か国
が具体的な数値目標を設けており、その多くは 60%を上限としている。
〔資料Ⅱ-3-7参照〕
我が国の財政規律は、IMF の定義上、フローの規律のみしか存在しな
いと位置付けられている。フローの規律とストックの規律を組み合わせ
ていくことが実効性を高めることとなり、その際、具体的な数値目標を設
定することも重要な視点となろう。
(3)今後の財政フレームワーク
今後を見通すと財政フレームワークを更に改善する余地がある。ルー
ルは、遵守されなければ意味をなさない。我が国の財政規律のあり方を考
える上で、財政ルールを定めるのみならず、その実効性を担保する仕組み
を検討することも重要である。
この点、先進国 32 か国のうち 25 か国が、ルールを遵守していない場

24

本年2月7日記者会見におけるギタ・ゴピナート IMF 筆頭副専務理事の発言。

-16-