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激動の世界を見据えたあるべき財政運営 (44 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20250527/index.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度等分科会(答申・報告書等) 激動の世界を見据えたあるべき財政運営(5/27)《財務省》
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2.企業支援
人口減少下にあり、その中で厳しい財政事情が続いている我が国にお
いて、持続的な経済成長を実現するためには、我が国経済における資本投
入を強固なものとしていくことが重要である。具体的には、いわゆる民間
の目利きも活用しながら、高生産性分野の創出や移行を促すとともに、過
去最高の内部留保等の民間資金の活用も念頭に、設備投資の拡大の後押
しと金融資本市場の活性化を図る必要性が高まっていると考えられる。
〔資料Ⅱ-1-5(再掲)参照〕
こうした民間投資の促進や重点化を図る上で、近年では、脱炭素のよう
な地球規模の課題への取組、あるいはコロナ禍や国際的な経済情勢の変
化を踏まえた産業構造の転換の必要性等も背景となって、特定分野への
投資について民間の予見可能性を高め、投資を拡大すること等を目的と
した産業政策が見られるようになり、その要否もまた重要な論点となっ
ている42。この点において、我が国における過去の産業政策は、リスクマ
ネー供給を通じて官民の適切なリスク分担を図りながら、むしろ民間部
門のリスクテイクや目利きを活用する金融支援43や、民間企業自らの取組
を後押しするための規制緩和等を中心に講じられてきた。しかしながら、
近年では、補助金による企業支援が大きく増加している。補助金は、国民
負担である租税や国債等を原資とするものでありながら、交付後の使途
等に政府として利かせられるガバナンスには限度がある上、政府の立場
からすれば金銭的リターンもなく、事業が目論見どおりに成功するか否

42

産業政策については諸外国の動向を踏まえることも重要との意見があった。この点、各国にお
いて経済への国家の関与が高まっている一方、政府が大規模な投資を行う際には、同時に必要な
財源を確保している例も見られる(
「我が国の財政運営の進むべき方向」
(財政制度等審議会(令
和6年(2024 年)5月 21 日)
)参照)

43 なお金融支援に関しても、例えば産業投資の出資先の1つである官民ファンドについて、
・ その一部において累積損失が著しく拡大するなど、ガバナンス面で一層の改善を図っていく
必要性が明らかになっているといった課題が見られるとの指摘(「財政投融資の在り方に関する
議論の整理」
(財政制度等審議会財政投融資分科会(令和6年(2024 年)7月 29 日))


・ 支援の実施状況や財務等の状況などについての所見(「官民ファンドにおける業務運営の状況
に関する会計検査の結果について」
(会計検査院(令和7年(2025 年)5月 16 日))
)、
が示されていることに留意する必要がある。

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