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予算執行調査資料(総括調査票) (94 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html |
出典情報 | 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》 |
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総括調査票
(26)国際クルーズ旅客受⼊機能⾼度化施設整備事業等
②調査の視点
1.対象事業のしかる
べき選定
クルーズの再興とク
ルーズの拠点形成に向け
た受⼊環境整備を進める
ために実施されている国
際クルーズ旅客受⼊機能
⾼度化事業が、期待され
た効果を発揮することが
できるよう、しかるべき
事業が補助対象として選
定されているかを検証す
る。
【調査対象年度】
平成29年度〜令和6年度
【調査対象先数】
港湾管理者等︓60先
(全84港)
国⼟交通省港湾局
2/3
④今後の改善点・
検討の⽅向性
③調査結果及びその分析
75
1.対象事業のしかるべき選定
1.対象事業のしかるべ
き選定
本補助事業を効果的に実施するためには、各港の特性を踏まえ、事業の⽬的を達成
するために効果的な案件に対し補助を⾏う必要がある。
他⽅、補助制度が発⾜した平成29年以降、申請がなされた案件は全て採択されてお
り、しかるべく選定した上で、効果が⾒込まれる案件に対して補助を⾏ってきたのか
疑問がある。
この点、募集要領上、申請された事業計画は、事業実施による効果等の観点から審
査・評価できるよう、KPIを⽰す指標を計画に盛り込むことが求められている。他⽅、
【図1】のとおり、多くの案件がKPIを⽰す指標の設定がないにもかかわらず採択され
ている。加えて、【図2】のとおり、⽬標設定が極めて曖昧であるにもかかわらず採
択された事業が多く、事業実施による効果等の観点から審査が⾏われているとは⾔い
難い。
【表】のとおり、補助実施後も年間0〜5回程度とクルーズ船の寄港回数が極めて
低迷し、現時点で補助の効果が全く⾒られない港湾も確認できる。
また、クルーズ船寄港数等に関する定量的⽬標を独⾃に設定している港湾はそうで
ない港湾に⽐べクルーズ船寄港実績が良い傾向が⾒られる(⽬標を設定している港湾
の令和6年における外国クルーズ船平均寄港回数は30回、そうでない港湾は15回)。
定量的な⽬標設定を求めることには、クルーズ船寄港促進に好影響をもたらす可能性
がある。
【図1】令和6年度に採択された事業計画 【図2】採択された事業計画において記載さ
(全12件)におけるKPIの記載有無
れている曖昧な⽬標の例
・地域への経済効果、地元経済活性化
・税関検査及び⼊出国審査の円滑化
あり
3件(25%)
・旅客の乗下船に要する時間の短縮
・乗客の快適性向上
なし
・持続的かつ安定的なクルーズ船の受⼊
9件(75%)
に寄与
等
【表】補助実施後寄港回数が極めて低迷している港湾例(寄港回数)
H29
H30
R1
R2
R3
R4
R5
R6
A港
(補助実施)
1 (補助実施)
0
0
1
0
B港
(補助実施)
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
C港
(補助実施)
D港
(補助実施)
5
3
0
0
0
0
0
35
33
34
1
0
0
21
33
(補助先47港平均)
0
限られた財源の中で事業
を⾏う以上、申請がなされ
た案件は、しかるべく選定
した上で採択される必要が
ある。申請がなされた各案
件を⽐較検討し、より優れ
た案件を採択することがで
きるよう、国⼟交通省は⽐
較検討可能な定量的な審査
基準の導⼊を検討すべきで
ある。
その前提として、申請に
際しては、現在の募集要領
においても提出が求められ
ているKPIを⽰す指標等、
定量的な⽬標を確実に提出
させるべきである。その際、
補助対象者が設定すべき指
標をあらかじめ国において
複数提⽰した上で、その中
から申請者の事業計画に応
じた指標を選択・設定させ
ることも検討すべきである。
また、本補助事業による
補助を受ける前提として、
国⼟交通省はクルーズ船寄
港回数等に関する定量的⽬
標を含むクルーズ船受⼊に
関する計画の策定を求める
等、クルーズ船受⼊数増加
に向けた努⼒を促すことを
検討すべきである。
92
(26)国際クルーズ旅客受⼊機能⾼度化施設整備事業等
②調査の視点
1.対象事業のしかる
べき選定
クルーズの再興とク
ルーズの拠点形成に向け
た受⼊環境整備を進める
ために実施されている国
際クルーズ旅客受⼊機能
⾼度化事業が、期待され
た効果を発揮することが
できるよう、しかるべき
事業が補助対象として選
定されているかを検証す
る。
【調査対象年度】
平成29年度〜令和6年度
【調査対象先数】
港湾管理者等︓60先
(全84港)
国⼟交通省港湾局
2/3
④今後の改善点・
検討の⽅向性
③調査結果及びその分析
75
1.対象事業のしかるべき選定
1.対象事業のしかるべ
き選定
本補助事業を効果的に実施するためには、各港の特性を踏まえ、事業の⽬的を達成
するために効果的な案件に対し補助を⾏う必要がある。
他⽅、補助制度が発⾜した平成29年以降、申請がなされた案件は全て採択されてお
り、しかるべく選定した上で、効果が⾒込まれる案件に対して補助を⾏ってきたのか
疑問がある。
この点、募集要領上、申請された事業計画は、事業実施による効果等の観点から審
査・評価できるよう、KPIを⽰す指標を計画に盛り込むことが求められている。他⽅、
【図1】のとおり、多くの案件がKPIを⽰す指標の設定がないにもかかわらず採択され
ている。加えて、【図2】のとおり、⽬標設定が極めて曖昧であるにもかかわらず採
択された事業が多く、事業実施による効果等の観点から審査が⾏われているとは⾔い
難い。
【表】のとおり、補助実施後も年間0〜5回程度とクルーズ船の寄港回数が極めて
低迷し、現時点で補助の効果が全く⾒られない港湾も確認できる。
また、クルーズ船寄港数等に関する定量的⽬標を独⾃に設定している港湾はそうで
ない港湾に⽐べクルーズ船寄港実績が良い傾向が⾒られる(⽬標を設定している港湾
の令和6年における外国クルーズ船平均寄港回数は30回、そうでない港湾は15回)。
定量的な⽬標設定を求めることには、クルーズ船寄港促進に好影響をもたらす可能性
がある。
【図1】令和6年度に採択された事業計画 【図2】採択された事業計画において記載さ
(全12件)におけるKPIの記載有無
れている曖昧な⽬標の例
・地域への経済効果、地元経済活性化
・税関検査及び⼊出国審査の円滑化
あり
3件(25%)
・旅客の乗下船に要する時間の短縮
・乗客の快適性向上
なし
・持続的かつ安定的なクルーズ船の受⼊
9件(75%)
に寄与
等
【表】補助実施後寄港回数が極めて低迷している港湾例(寄港回数)
H29
H30
R1
R2
R3
R4
R5
R6
A港
(補助実施)
1 (補助実施)
0
0
1
0
B港
(補助実施)
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
C港
(補助実施)
D港
(補助実施)
5
3
0
0
0
0
0
35
33
34
1
0
0
21
33
(補助先47港平均)
0
限られた財源の中で事業
を⾏う以上、申請がなされ
た案件は、しかるべく選定
した上で採択される必要が
ある。申請がなされた各案
件を⽐較検討し、より優れ
た案件を採択することがで
きるよう、国⼟交通省は⽐
較検討可能な定量的な審査
基準の導⼊を検討すべきで
ある。
その前提として、申請に
際しては、現在の募集要領
においても提出が求められ
ているKPIを⽰す指標等、
定量的な⽬標を確実に提出
させるべきである。その際、
補助対象者が設定すべき指
標をあらかじめ国において
複数提⽰した上で、その中
から申請者の事業計画に応
じた指標を選択・設定させ
ることも検討すべきである。
また、本補助事業による
補助を受ける前提として、
国⼟交通省はクルーズ船寄
港回数等に関する定量的⽬
標を含むクルーズ船受⼊に
関する計画の策定を求める
等、クルーズ船受⼊数増加
に向けた努⼒を促すことを
検討すべきである。
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