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予算執行調査資料(総括調査票) (76 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html
出典情報 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》
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(21)ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進補助⾦

総括調査票

②調査の視点
1.補助要件
の達成状況に
ついて
給与⽀給総額
+1.5%以上/年と
の要件について、
達成状況はどうな
っているか。

③調査結果及びその分析
1.補助要件の達成状況について

内容について
「給与⽀給総額」
の増加を要件とし
ているが、従業員
数の増加、役員報
酬の増加、賞与の
⼀時的な増額等に
よって要件達成が
可能であるため、
個々の従業員の持
続的な賃上げに結
びついていないの
ではないか。

1.補助要件の達成状況について

】)

(対象範囲︓【図2】の全体)

令和6年度に報告があった事業者531者について調査したところ、次のとおりであった。
(1)給与⽀給総額の状況
給与⽀給総額+1.5%以上/年となった事業者は332者(63%)【図2
】であった。
また、事業者531者の給与⽀給総額の平均増加率は、単純平均で+6.4%/年、直近の従業員数
を踏まえた加重平均で+9.8%/年であった。
(2)⼀⼈当たりの給与⽀給額(※)の状況

※ ⼀⼈当たり給与⽀給額=給与⽀給総額÷従業員数

給与⽀給総額+1.5%以上/年且つ従業員を1名以上雇⽤する事業者(319者)【図2
】の
⼀⼈当たり給与⽀給額を調べたところ、多くは増加していたが、85者(26%)で減少してい
た。この85者については、いずれも従業員数の増加により給与⽀給総額が増加していた。
また、1名以上の従業員を雇⽤する事業者(514者)【図2
】について、給与⽀給総額の
年平均増加率と⼀⼈当たり給与⽀給総額の年平均増加率を⽐較したところ、【図3】のとおりで
あり、全体的な分布としては、両者による傾向の差は特段⾒受けられなかった。
【図2】事業者の範囲(全体531者)
317者

【図3】給与⽀給総額・⼀⼈当たり給与額の増加率の状況

214者

(R6報告で要件達成を判断)
(R5報告で要件達成を判断)

【調査対象年度】
令和元年度
【調査対象先数】
中⼩企業庁︓1先

④今後の改善点・検討の⽅向性

給与⽀給総額の増加要件(給与⽀給総額+1.5%以上/年)について令和6年度に事業者から提
出された531件の事業化状況報告を調査した。
このうち、申請時に事業者が策定した事業計画の最終年度に係る同報告(当該報告により補助
⾦ の 要 件 達 成 の 可 否 が 判 断 さ れ る ) を ⾏ っ た 317 者 の う ち 、 要 件 を 達 成 し た 者 は 210 者
(66.2%)、達成できなかった者は107者(33.8%)であった。
要件を達成できなかったことについて、⼀般的には、⾚字等により給与⽀給額を増加させるこ
とができなかったことが考えられるが、適切な把握・分析は⾏われていなかった。
2.賃上げの内容について

2.賃上げの

(対象範囲︓【図2

給与⽀給総額
+1.5%未満/年

(下部と合わせて)

(者)

200
150

199者

給与⽀給総額
+1.5%以上/年
332者

従業員なし
(役員のみ)
14者

総額
⼀⼈当たり

100

従業員あり
517者

50
0

給与⽀給総額
+1.5%未満/年

2/3

(%)

・ 補助⾦受給者のうち3割以上が給与⽀
給総額の増加要件を達成していなかった
ため、中⼩企業庁は要件未達成の要因に
ついて適切な把握・分析を⾏い、申請時
の事業計画の評価をはじめ、補助⾦審査
の改善に活⽤すべきである。
2.賃上げの内容について
(1)給与⽀給総額の状況
・ 給与⽀給総額の増加要件については、
第1回公募(令和2年3⽉10⽇〜3⽉
31⽇)〜第18回公募(令和6年1⽉31
⽇〜3⽉27⽇)の間、据え置かれてい
たが、第19回公募(令和7年2⽉14⽇
〜 4 ⽉ 25 ⽇ ) に お い て 基 本 要 件 は
+2.0%/年へと⾒直されている。
・ 他⽅で、調査対象事業者のうちの給与
⽀給総額の平均増加率は+6.4%/年であ
り、要件として設定する増加率の⽔準に
ついて、過去の公募における実績等を踏
まえ適切な⽔準に⾒直すべきである。
(2)⼀⼈当たりの給与⽀給額の状況
・ 給与⽀給⽔準を改善しなかったとして
も、従業員数を増加させることで給与⽀
給総額の増加要件の達成が可能となる。
・ 個々の従業員の賃上げに確実につなげ
る観点からは、⼀⼈当たり給与⽀給額に
よることが適当であり、【図3】のとお
り、給与⽀給総額と⼀⼈当たり給与⽀給
額の増加率に⼤きな傾向の差は⾒受けら
れないことを踏まえ、
① ⼀⼈当たりの給与⽀給額の増加率に
よることを要件の原則とする
② ベースアップなど、給与⽀給⽔準の
改善を要件とする
などにより、個々の従業員の賃上げが
担保される制度設計に改めるべきであ
る。

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