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予算執行調査資料(総括調査票) (50 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html |
出典情報 | 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》 |
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(15)国⺠健康保険組合療養給付費補助⾦等
総括調査票
2/5
②調査の視点
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
・
・
各国保組合の被保険者の所得⽔準はどの程度か。
「平均所得」ごとに定率補助の区分が設定されているが、同じ区分に含まれる国保組合の所得⽔準にバラツキが⽣じていないか。
【調査対象年度】
平成27年度〜令和6年度
【調査対象先数】
都道府県︓47先、国保組合︓158先
③調査結果及びその分析
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
療養給付費補助⾦の定率補助の補助率については、国保組合の「平均所得」に応じて設定されている。具体的には、厚⽣労働省が国保組合に対して実施する所得調査によって、各
組合の被保険者のうちサンプル抽出した者の市町村⺠税の課税標準額を集計した上で、1⼈当たり課税標準額の平均を計算し「平均所得」としている。また、この「平均所得」の計
算上、被保険者1⼈当たり1,200万円を上限としている。
平成30年度と令和4年度に実施した所得調査に基づく各組合の補助率を⽐較すると、補助率13%の区分の組合数は52組合から61組合に増加している。補助率の低い区分へ移動
(「平均所得」が上昇)した組合は36組合、特に⻭科医師国保は27組合のうち25組合が補助率の低い区分へ移動した。⼀⽅、補助率の⾼い区分へ移動(「平均所得」が下落)した
組合は4組合であった【表1】。
業種ごとの「平均所得」の詳細を⾒ると、医師国保が最も⾼く390.6万円、⻭科医師国保が226.1万円などとなっているが、仮に1,200万円を上限とせず1⼈当たり課税標準額を
計算した場合は医師国保の「平均所得」は812.2万円となるなど、特に医師国保は他業種と⽐較しても⾼い所得⽔準であることが分かる。さらに、国保組合の被保険者には、組合員
(医師国保の場合、医師やその医師が開設する施設の勤務者など)とその家族が含まれており、「平均所得」は組合員の家族の所得も含めて平均をとったものであることに留意が必
要である【図1】。
【表1】 療養給付費補助⾦の補助率の内訳
(平成30年度所得調査に基づく補助率)
※数字は組合数
13% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 26% 28% 30% 32%
47
⻭科医師国保 3
薬剤師国保
1
⼀般業種国保 1
医師国保
建設関係国保
2
4
1
3
3
1
2
4
2
2
1
1
4
1
3
1
1
5
1
1
2
1
1
2
上限なし
建設関係国保
1
2
3
2
1
6
4
6
2
1
3
1
1
(平均標準報酬⽉額29.5万円×12か⽉+平均標準賞与額41.3万円)
上限1,200万円
健保組合の被保険者
600
28
32
390.6
全体
※令和4年度所得調査結果(令和5年度に特別調査を実施した7組合は
当該調査結果を反映)
※令和6年3⽉に解散した⼤阪⽊津卸市場国⺠健康保険組合は除く
市町村国保の令和3年平均課税標準額
1世帯当たり109.2万円、被保険者1⼈当たり73.5万円
291.1
259.1
321.5
226.1
217.6 220.1
203.9
166.2 112.9
106.2
0
1
2
医師国保
4
25
32
︓564万円
(平均標準報酬⽉額38.0万円×12か⽉+平均標準賞与額108.4万円)
※標準報酬⽉額は被保険者が事業主から受ける毎⽉の給料などの報酬の⽉額
を区切りのよい幅で区分したもので、第1級の5万8千円から第50級の139
万円までの全50等級に区分されている(平成28年4⽉から上限が47等級
121万円から50等級139万円に引上げ)。標準賞与額は税引前の賞与総額
から千円未満を切り捨てたもので、年度の累計額573万円が上限。税引前
であることや、事業主から受け取る給料・賞与のみであるという点で、市
町村⺠税の課税標準額とは異なる。
300
13% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 26% 28% 30% 32%
47
8
薬剤師国保
2
⼀般業種国保 4
⻭科医師国保
被⽤者保険の令和3年平均標準報酬・賞与の合計
協会けんぽの被保険者︓395万円
(「平均所得」,万円)
900
812.2
(令和4年度所得調査等に基づく補助率)
医師国保
【参考1】 他の保険者の被保険者の所得状況
【図1】 業種ごとの所得の状況
⻭科医師国保 薬剤師国保 ⼀般業種国保 建設関係国保
④今後の改善点・検討の⽅向性
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
・
国保組合に対する定率補助の補助率を設定する際に⽤いている「平均所得」については、業種別のバラツキが⼤きなものとなっている。また、「上限1,200万円」を設定せずに
「平均所得」を計算した場合に顕著なように、特に、158組合のうち定率補助率13%(「平均所得」240万円以上)に区分されている61組合の中では、組合間での所得状況の差
異が⼤きい状況が⽣じている可能性がある。
・ 定率補助の区分については、定率補助率13%の区分を細分化するなど、所得状況に応じたきめ細かな設定とすべきである。あわせて、「平均所得」を計算する際に使⽤してい
る「上限1,200万円」の撤廃も含め、公平性の観点から、所得⽔準の判定の在り⽅についても⾒直しを検討すべきである。
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②調査の視点
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
・
・
各国保組合の被保険者の所得⽔準はどの程度か。
「平均所得」ごとに定率補助の区分が設定されているが、同じ区分に含まれる国保組合の所得⽔準にバラツキが⽣じていないか。
【調査対象年度】
平成27年度〜令和6年度
【調査対象先数】
都道府県︓47先、国保組合︓158先
③調査結果及びその分析
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
療養給付費補助⾦の定率補助の補助率については、国保組合の「平均所得」に応じて設定されている。具体的には、厚⽣労働省が国保組合に対して実施する所得調査によって、各
組合の被保険者のうちサンプル抽出した者の市町村⺠税の課税標準額を集計した上で、1⼈当たり課税標準額の平均を計算し「平均所得」としている。また、この「平均所得」の計
算上、被保険者1⼈当たり1,200万円を上限としている。
平成30年度と令和4年度に実施した所得調査に基づく各組合の補助率を⽐較すると、補助率13%の区分の組合数は52組合から61組合に増加している。補助率の低い区分へ移動
(「平均所得」が上昇)した組合は36組合、特に⻭科医師国保は27組合のうち25組合が補助率の低い区分へ移動した。⼀⽅、補助率の⾼い区分へ移動(「平均所得」が下落)した
組合は4組合であった【表1】。
業種ごとの「平均所得」の詳細を⾒ると、医師国保が最も⾼く390.6万円、⻭科医師国保が226.1万円などとなっているが、仮に1,200万円を上限とせず1⼈当たり課税標準額を
計算した場合は医師国保の「平均所得」は812.2万円となるなど、特に医師国保は他業種と⽐較しても⾼い所得⽔準であることが分かる。さらに、国保組合の被保険者には、組合員
(医師国保の場合、医師やその医師が開設する施設の勤務者など)とその家族が含まれており、「平均所得」は組合員の家族の所得も含めて平均をとったものであることに留意が必
要である【図1】。
【表1】 療養給付費補助⾦の補助率の内訳
(平成30年度所得調査に基づく補助率)
※数字は組合数
13% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 26% 28% 30% 32%
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⻭科医師国保 3
薬剤師国保
1
⼀般業種国保 1
医師国保
建設関係国保
2
4
1
3
3
1
2
4
2
2
1
1
4
1
3
1
1
5
1
1
2
1
1
2
上限なし
建設関係国保
1
2
3
2
1
6
4
6
2
1
3
1
1
(平均標準報酬⽉額29.5万円×12か⽉+平均標準賞与額41.3万円)
上限1,200万円
健保組合の被保険者
600
28
32
390.6
全体
※令和4年度所得調査結果(令和5年度に特別調査を実施した7組合は
当該調査結果を反映)
※令和6年3⽉に解散した⼤阪⽊津卸市場国⺠健康保険組合は除く
市町村国保の令和3年平均課税標準額
1世帯当たり109.2万円、被保険者1⼈当たり73.5万円
291.1
259.1
321.5
226.1
217.6 220.1
203.9
166.2 112.9
106.2
0
1
2
医師国保
4
25
32
︓564万円
(平均標準報酬⽉額38.0万円×12か⽉+平均標準賞与額108.4万円)
※標準報酬⽉額は被保険者が事業主から受ける毎⽉の給料などの報酬の⽉額
を区切りのよい幅で区分したもので、第1級の5万8千円から第50級の139
万円までの全50等級に区分されている(平成28年4⽉から上限が47等級
121万円から50等級139万円に引上げ)。標準賞与額は税引前の賞与総額
から千円未満を切り捨てたもので、年度の累計額573万円が上限。税引前
であることや、事業主から受け取る給料・賞与のみであるという点で、市
町村⺠税の課税標準額とは異なる。
300
13% 14% 16% 18% 20% 22% 24% 26% 28% 30% 32%
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薬剤師国保
2
⼀般業種国保 4
⻭科医師国保
被⽤者保険の令和3年平均標準報酬・賞与の合計
協会けんぽの被保険者︓395万円
(「平均所得」,万円)
900
812.2
(令和4年度所得調査等に基づく補助率)
医師国保
【参考1】 他の保険者の被保険者の所得状況
【図1】 業種ごとの所得の状況
⻭科医師国保 薬剤師国保 ⼀般業種国保 建設関係国保
④今後の改善点・検討の⽅向性
1.国保組合の所得⽔準と定率補助の区分について
・
国保組合に対する定率補助の補助率を設定する際に⽤いている「平均所得」については、業種別のバラツキが⼤きなものとなっている。また、「上限1,200万円」を設定せずに
「平均所得」を計算した場合に顕著なように、特に、158組合のうち定率補助率13%(「平均所得」240万円以上)に区分されている61組合の中では、組合間での所得状況の差
異が⼤きい状況が⽣じている可能性がある。
・ 定率補助の区分については、定率補助率13%の区分を細分化するなど、所得状況に応じたきめ細かな設定とすべきである。あわせて、「平均所得」を計算する際に使⽤してい
る「上限1,200万円」の撤廃も含め、公平性の観点から、所得⽔準の判定の在り⽅についても⾒直しを検討すべきである。
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