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予算執行調査資料(総括調査票) (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html |
出典情報 | 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》 |
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総括調査票
②調査の視点
2.跨線橋と跨道橋の点検
等メンテナンスについて
跨線橋の点検業務は、
列⾞の間合いや夜間等の限ら
れた時間帯での作業が必要と
なること
- 列⾞や⾼圧線に近接した作業
となり、接触の回避や安全か
つ安定的な鉄道運⾏を確保す
る必要があること
等から鉄道事業者に委託するの
が⼀般的である。しかし、会計
検査院による平成17年度の決算
検査報告において、鉄道事業者
への委託事業での事業実施状況
の把握に必要な資料が⼗分に提
出されていない点を指摘される
等、従前よりこの委託業務の透
明性を確保することが課題と
なっている。
このため、平成20年12⽉の国
⼟交通省と鉄道事業者との申合
せにおいては、鉄道事業者から
事業実施主体に対し、跨線橋の
点検費⽤の内訳等の資料共有及
び説明を⾏うことを求めている。
今回の調査においては、跨線
橋の点検費⽤に関して、跨道橋
の点検費⽤との⽐較を⾏った上
で、上記の申合せに沿った運⽤
ができているかについて調査を
⾏う。
また、上記調査と併せて、上
記調査の対象となった⾃治体に
おいて要修繕と判断された橋梁
の修繕措置の完了率を調査し、
跨線橋の修繕完了に向けた課題
の把握を⾏う。
-
【調査対象先数】
【調査対象年度】
⾃治体︓15先
令和6年度
(22)道路メンテナンス事業補助制度
4/5
③調査結果及びその分析
④今後の改善点・検討の⽅向性
2.跨線橋と跨道橋の点検等メン
2.跨線橋と跨道橋の点検等メンテナンスについて
Ⅰ.点検費⽤の差
跨線橋と跨道橋の点検費⽤の⽐較を可能とするため、類似条件下で両⽅の点検を実
施した15先について調査を⾏った結果、跨線橋は跨道橋の平均約3.5倍の点検費⽤を
要しており、その平均的な差(3.5倍)を2倍以上上回る、7倍以上の点検費⽤を要し
た箇所も4箇所あった【図3】。
また、これを点検を受託した鉄道事業者(5社)別にみると、その跨線橋の平均点
検費⽤が跨道橋の平均点検費⽤の平均倍率である3.5倍を上回る鉄道事業者が2社あり、
このうち1社(C鉄道会社)の平均点検費⽤は跨道橋の平均点検費⽤の8倍以上に達し
ていた【表5】。
Ⅱ.費⽤の内訳資料の提⽰と説明
平均点検費⽤の8倍以上に達していた上記1社に関しては、同社に点検を委託をし
た⾃治体(5先)の全てが「⼗分な説明なし」と回答した。また、同社以外に委託し
た9先のうち5先が「⼗分な説明なし」と回答した。
【図3】点検費⽤の⽐較(計15)
【表5】鉄道会社別の費⽤と説明状況⽐較(計15)
調査案件 平均コスト 平均の2倍 ⼗分な 内訳提出
総数
差
以上件数 説明なし なし
2
1.25
0
1
1
A鉄道会社
B鉄道会社
4
2.04
0
2
1
C鉄道会社
5
8.17
4
5
2
D鉄道会社
2
5.14
0
1
1
E鉄道会社
1
2.97
0
1
0
(⾃治体発注)
1
0.74
0
-
-
計
15
3.47
4
10
5
(注)点検費⽤が7倍以上の4件はいずれもC社であり、C社は
委託を受けた全ての案件で⼗分な説明がないとされた。
<鉄道事業者が提⽰する点検費⽤の内訳が不明であるとする⾃治体の⽣の声>
・保安業務に係る費⽤の内訳根拠について提⽰を依頼しても詳細は出していない旨説明される。
・内訳書を確認したが、点検⾯積によって単価が⼤きく異なるものもあるが説明を受けていない。
・単価内訳が⼀式単価であるため、詳細内容を求めても「平成20年12⽉25⽇付け通知(透明性
確保)に基づき書類を提出している」との説明のみで、詳細な契約⾦額の根拠が不明である。
・⽀払額の⼀部である「管理費」が率分で計上されているが、内容は部外秘と⾔われ、内訳が不
明である。⽀払額の⼀部である「業務附帯費」の⼀部である『点検協議⽀援業務委託』の費⽤
は、請求書のみを提出されており、必要性・実施内容・⾦額根拠が不明である。
テナンスについて
跨線橋の点検費⽤は、⼀般的に作業
時間の制約等の要因があることから、
類似条件下にある跨道橋の点検費⽤を
上回ることにはやむを得ない⾯がある
と考えられる。
だからこそ、会計検査院からの平成
17年度の決算検査報告における指摘
にもあるとおり、その点検費⽤は、内
訳を明⽰するなどして⼀層⾼い透明性
が求められる。にもかかわらず、依然
として鉄道事業者から⼗分な説明が無
いと受け⽌められている事例が相当の
割合を占めており、平成20年12⽉の
申合せの趣旨が必ずしも⼗分に徹底さ
れているとは⾔い難い。
このため、国⼟交通省においては、
道路⾏政を所管する⽴場に加えて、公
共性の⾼い事業を営む鉄道事業者を監
督する⽴場からも、上記の申合せの内
容が確実に実施されるよう実効性の⾼
い対策を講じるべきである。
また、跨線橋の要修繕箇所の修繕措
置完了率が低位にとどまる理由として、
鉄道事業者との協議に時間を要してい
ることが挙げられていることから、協
議に時間を要している要因を分析し、
その解消がなされるよう対策を講じる
べきである。
Ⅲ.修繕措置完了率の⽐較
上記の15先における点検結果において区分Ⅲ・区分Ⅳと診断された橋梁の修繕措置
完了率の平均⽐較は【表6】のとおりである。15先のうち11先において跨線橋の修
繕措置完了率は全橋梁の修繕措置完了率を下回っていた。また、その理由について、
多くの⾃治体が鉄道事業者との協議に時間を要していることを挙げていた。
【表6】修繕措置完了率の平均
(n=15)
全橋梁の修繕措置完了率
うち跨線橋の修繕措置完了率
平均71%
平均54%
79
②調査の視点
2.跨線橋と跨道橋の点検
等メンテナンスについて
跨線橋の点検業務は、
列⾞の間合いや夜間等の限ら
れた時間帯での作業が必要と
なること
- 列⾞や⾼圧線に近接した作業
となり、接触の回避や安全か
つ安定的な鉄道運⾏を確保す
る必要があること
等から鉄道事業者に委託するの
が⼀般的である。しかし、会計
検査院による平成17年度の決算
検査報告において、鉄道事業者
への委託事業での事業実施状況
の把握に必要な資料が⼗分に提
出されていない点を指摘される
等、従前よりこの委託業務の透
明性を確保することが課題と
なっている。
このため、平成20年12⽉の国
⼟交通省と鉄道事業者との申合
せにおいては、鉄道事業者から
事業実施主体に対し、跨線橋の
点検費⽤の内訳等の資料共有及
び説明を⾏うことを求めている。
今回の調査においては、跨線
橋の点検費⽤に関して、跨道橋
の点検費⽤との⽐較を⾏った上
で、上記の申合せに沿った運⽤
ができているかについて調査を
⾏う。
また、上記調査と併せて、上
記調査の対象となった⾃治体に
おいて要修繕と判断された橋梁
の修繕措置の完了率を調査し、
跨線橋の修繕完了に向けた課題
の把握を⾏う。
-
【調査対象先数】
【調査対象年度】
⾃治体︓15先
令和6年度
(22)道路メンテナンス事業補助制度
4/5
③調査結果及びその分析
④今後の改善点・検討の⽅向性
2.跨線橋と跨道橋の点検等メン
2.跨線橋と跨道橋の点検等メンテナンスについて
Ⅰ.点検費⽤の差
跨線橋と跨道橋の点検費⽤の⽐較を可能とするため、類似条件下で両⽅の点検を実
施した15先について調査を⾏った結果、跨線橋は跨道橋の平均約3.5倍の点検費⽤を
要しており、その平均的な差(3.5倍)を2倍以上上回る、7倍以上の点検費⽤を要し
た箇所も4箇所あった【図3】。
また、これを点検を受託した鉄道事業者(5社)別にみると、その跨線橋の平均点
検費⽤が跨道橋の平均点検費⽤の平均倍率である3.5倍を上回る鉄道事業者が2社あり、
このうち1社(C鉄道会社)の平均点検費⽤は跨道橋の平均点検費⽤の8倍以上に達し
ていた【表5】。
Ⅱ.費⽤の内訳資料の提⽰と説明
平均点検費⽤の8倍以上に達していた上記1社に関しては、同社に点検を委託をし
た⾃治体(5先)の全てが「⼗分な説明なし」と回答した。また、同社以外に委託し
た9先のうち5先が「⼗分な説明なし」と回答した。
【図3】点検費⽤の⽐較(計15)
【表5】鉄道会社別の費⽤と説明状況⽐較(計15)
調査案件 平均コスト 平均の2倍 ⼗分な 内訳提出
総数
差
以上件数 説明なし なし
2
1.25
0
1
1
A鉄道会社
B鉄道会社
4
2.04
0
2
1
C鉄道会社
5
8.17
4
5
2
D鉄道会社
2
5.14
0
1
1
E鉄道会社
1
2.97
0
1
0
(⾃治体発注)
1
0.74
0
-
-
計
15
3.47
4
10
5
(注)点検費⽤が7倍以上の4件はいずれもC社であり、C社は
委託を受けた全ての案件で⼗分な説明がないとされた。
<鉄道事業者が提⽰する点検費⽤の内訳が不明であるとする⾃治体の⽣の声>
・保安業務に係る費⽤の内訳根拠について提⽰を依頼しても詳細は出していない旨説明される。
・内訳書を確認したが、点検⾯積によって単価が⼤きく異なるものもあるが説明を受けていない。
・単価内訳が⼀式単価であるため、詳細内容を求めても「平成20年12⽉25⽇付け通知(透明性
確保)に基づき書類を提出している」との説明のみで、詳細な契約⾦額の根拠が不明である。
・⽀払額の⼀部である「管理費」が率分で計上されているが、内容は部外秘と⾔われ、内訳が不
明である。⽀払額の⼀部である「業務附帯費」の⼀部である『点検協議⽀援業務委託』の費⽤
は、請求書のみを提出されており、必要性・実施内容・⾦額根拠が不明である。
テナンスについて
跨線橋の点検費⽤は、⼀般的に作業
時間の制約等の要因があることから、
類似条件下にある跨道橋の点検費⽤を
上回ることにはやむを得ない⾯がある
と考えられる。
だからこそ、会計検査院からの平成
17年度の決算検査報告における指摘
にもあるとおり、その点検費⽤は、内
訳を明⽰するなどして⼀層⾼い透明性
が求められる。にもかかわらず、依然
として鉄道事業者から⼗分な説明が無
いと受け⽌められている事例が相当の
割合を占めており、平成20年12⽉の
申合せの趣旨が必ずしも⼗分に徹底さ
れているとは⾔い難い。
このため、国⼟交通省においては、
道路⾏政を所管する⽴場に加えて、公
共性の⾼い事業を営む鉄道事業者を監
督する⽴場からも、上記の申合せの内
容が確実に実施されるよう実効性の⾼
い対策を講じるべきである。
また、跨線橋の要修繕箇所の修繕措
置完了率が低位にとどまる理由として、
鉄道事業者との協議に時間を要してい
ることが挙げられていることから、協
議に時間を要している要因を分析し、
その解消がなされるよう対策を講じる
べきである。
Ⅲ.修繕措置完了率の⽐較
上記の15先における点検結果において区分Ⅲ・区分Ⅳと診断された橋梁の修繕措置
完了率の平均⽐較は【表6】のとおりである。15先のうち11先において跨線橋の修
繕措置完了率は全橋梁の修繕措置完了率を下回っていた。また、その理由について、
多くの⾃治体が鉄道事業者との協議に時間を要していることを挙げていた。
【表6】修繕措置完了率の平均
(n=15)
全橋梁の修繕措置完了率
うち跨線橋の修繕措置完了率
平均71%
平均54%
79