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予算執行調査資料(総括調査票) (29 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html
出典情報 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》
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総括調査票

(9)国宝重要⽂化財等保存・活⽤事業費補助⾦(建造物・史跡)

②調査の視点
1.⽂化財の活⽤状況
○ 補助事業において修理等された
⽂化財について、現在の活⽤状況
がどのようになっているか。
○ また、公開活⽤している⽂化財
について、⼊場者数が補助事業開
始前と現在でどのように変化して
いるか。
「⽂化財保護法」第4条第2項
⽂化財の所有者その他の関係者
は、⽂化財が貴重な国⺠的財産であ
ることを⾃覚し、これを公共のため
に⼤切に保存するとともに、できる
だけこれを公開する等その⽂化的活
⽤に努めなければならない。

2.公費以外の修理等の財源確
保の取組
(1)公費以外の修理等の財源確保
の状況
○ 公費以外の修理等の財源確保に
向けた取組状況はどのようになっ
ているか。

③調査結果及びその分析
1.⽂化財の活⽤状況
(1)補助事業開始前と現在における⽂化
財の活⽤状況の⽐較
○ 「国宝重要⽂化財等保存・活⽤事業費 【表1】⽂化財活⽤状況(n=124)
補助⾦」を交付し、令和3年度から5年
修理前
修理後
度に修理等が完了した⽂化財124件につ
いて、補助事業開始前と現在の活⽤状況
公開
99件
108件
を⽐較すると、⾮公開とされている⽂化
財は、修理前の25件からはやや減少して
⾮公開
25件
16件
いたが、修理後も⾮公開とされている⽂
化財が16件も存在していた【表1】 。
⾮公開としている主な理由としては、
破損の懸念のほか、宗教上の理由や⼈⼿
不⾜などの回答があった。
【表2】⼊場者数の⽐較(n=99)
⼊場者数の変化
(2)公開している⽂化財の⼊場者数の増
減⽐較
把握していない
46件
○ 補助事業実施前に公開されていた99
件のうち、⼊場者数を把握していないと
増加
24件
回答した者が約半数の46件(46%)存
減少
19件
在しており、活⽤状況の把握すらされて
いないことが判明した。⼀⽅、把握して
不変
10件
いた53件のうち、過半の29件(55%)
が減少⼜は不変となっており、活⽤の拡
⼤が不⼗分であることが判明した【表
【図3】公費以外の修理等の財源確
2】 。
保の主な取組(n=124)
2.公費以外の修理等の財源確保の取組
(1)公費以外の修理等の財源確保の状況
○ 公費以外の修理等の財源確保の取組状
況について、調査対象の124件のうち⼤
半の81件(65%)は、特に実施してい
ないとの回答であった【図3】 。
○ その主な理由としては、「公費で賄え
るため」(43%)「取組のノウハウが
ないため」(17%)が挙げられた。
○ また、寄付⾦の募集・ふるさと納税の
活⽤・クラウドファンディングの活⽤を
⾏った件数は32件(26%)にとどまっ
ており、これらにより修理等の資⾦に充
当した額については、平均して事業費全
(注)複数回答可能なため調査対象件数と⼀致しない。
体の3%にとどまっていた。

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④今後の改善点・検討の⽅向性
1.⽂化財の活⽤状況
○ ⽂化財の種類によって活⽤の⽅法につ
いては差が⽣じると考えられるが、少な
くとも公開はされている⽂化財が⼤半で
あり、公開 に向けた課 題を整理し た上
で、既に公開を⾏っているものについて
は公開⽇数等の増加を、⾮公開のものに
ついてはできるだけ公開を⾏うよう、所
有者等に働きかけていくべき。
○ また、「⽂化財保護法」において、活
⽤を図ることとされている以上、活⽤状
況を測定する指標を整備した上で、活⽤
状況を把握できるようにすべき。
○ その上で、国費を投⼊した修理等によ
り付加価値を得た⽂化財については、修
理後には活⽤の拡⼤が図られるべきであ
り、国宝重要⽂化財等保存・活⽤事業費
補助⾦の交付の要件として、所有者や⽂
化財の態様に応じて可能な限り活⽤の拡
⼤が図られることを求めるべき。

2.公費以外の修理等の財源確保の取組
(1)公費以外の修理等の財源確保につい

○ 海外も含めた好事例の収集・展開等に
より、公費以外の財源確保⽅策のノウハ
ウを広く周知すべき。
○ また、寄付やクラウドファンディング
等のノウハウがある者と連携し、多様な
財源確保に向けたサポート体制を整備す
ることも有効と考えられる。
○ 加えて、補助制度⾃体を、多様な財源
確保を促進するものに改めるべき(例え
ば、寄付⾦については(2)参照)。

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