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予算執行調査資料(総括調査票) (60 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2025/sy0706/0706b.html |
出典情報 | 令和7年度 予算執行調査資料(総括調査票)(6/27)《財務省》 |
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総括調査票
(17)森林・林業担い⼿育成総合対策
3/5
3/3
③調査結果及びその分析
(2)FW研修の改善
○FW研修等の問題を改善するための「改善措置意⾒の通知」については、FW研修を引き受けた林業経営体に改善の必要がある場合(要件に該当する場合)に事
業実施主体から発出され、都道府県も意⾒を出せることになっているが、定着率の改善に関して以下の問題が認められる。
○(1)の選定での指摘と同様に、事業実施主体の内規において定着率に係る要件に⼈数要件を追加して設定しているため、そもそも「改善措置意⾒の通知」の
対象となり得る林業経営体が少なく、問題のある林業経営体の捕捉・改善につながりづらい。また、事業実施主体の運⽤通知によれば、離職者の算出について、
他の林業経営体に移籍した者を除くことができるほか、「経営体からの退職理由が当該経営体の責によらない相当事由として、本会が認めたもの」を除いており、
⼈数の算出⾃体も緩和している。
○また、意⾒通知が発出された場合においても、審査が⼗分に機能していないと⾒られる事例も存在した。 2年連続で研修⽣の離職に関して「改善措置通知」が
出された林業経営体の提出した「基本的に地元従業員を採⽤する」、「雇⽤条件を改善する(⽇給から⽉給への変更)」との改善⽅針について、1年⽬の改善措
置で改善できていない理由等を分析することなく、事業実施主体は2年⽬の改善⽅針を漫然と承認している。なお、上記事案では県からの意⾒も出されているが、
事業実施主体と同様に1年⽬が達成できなかった点を考慮することなく林業経営体の改善⽅針と同内容の意⾒にとどまっている。
○なお、FW研修の改善措置に係る都道府県からの意⾒は任意となっており、そ
もそも都道府県が関与していない事案も散⾒される。その要因としては、「林業
労働⼒の確保の促進に関する法律」に基づく都道府県による林業経営体の認定が
FW研修の採択要件になっているが、この認定以外は、基本的に都道府県が関与
しないものとなっており、集合研修に林業⼤学校が絡む都道府県を除き、各都道
府県の担当者はFW研修について主体的に関与・把握していないためである。
【図4】都道府県別のFW研修⽣の定着率(n=1001)
○他⽅で、平成30〜令和4年度までのFW研修⽣の定着率について、都道府県別
にみると5県(7団体)で定着率が他県を⼤きく下回る⽔準【図4】となってお
り、⼀部の都道府県においては、林業従事者確保の観点から都道府県も関与して
是正する必要性があると考えられる。
<改善措置意⾒>
改善措置意⾒の通知件数
研修⽣の定着要件分
該当5県
R2
27
20
5
R3
17
12
4
R4
17
16
1
R5
11
8
1
合計
72
56
11
④今後の改善点・検討の⽅向性
FW研修の林業経営体選定と改善について
○FW研修の受⼊れ先林業経営体の選定に当たっては、定着率を改善させるためにも適切な選定を⾏うべきであり、事業実施主体の内規等で緩和されている内容に
ついては、現状の研修⽣受⼊れ⼈数等を踏まえて、募集前から9割以上の林業経営体が完全には該当し得ないような要件ではなく、林業従事者の確保の観点から定
着率が⾼い林業経営体や低い林業経営体の特徴を分析し、定着率に係る有効性のある要件設定を検討すべきである。
○また、「改善措置意⾒」に関しても、上記の⾒直しと合わせて定着率に係る発出基準を⾒直すとともに、改善措置意⾒の通知に対する各林業経営体からの改善⽅
針については、現状任意となっている都道府県からの意⾒聴取を実効性のあるものに⾒直すなど、運⽤改善を図るべきである。運⽤改善にあたっては、事業実施主
体任せにするのではなく、離職率の⾼い林業経営体の特徴、特に定着率の⾼い都道府県の実績や各林業経営体の改善措置に係る具体的な事例等を検証し、事業実施
主体が林業経営体を適切に監督・指導できるよう指針を⽰すべきである。
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(17)森林・林業担い⼿育成総合対策
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③調査結果及びその分析
(2)FW研修の改善
○FW研修等の問題を改善するための「改善措置意⾒の通知」については、FW研修を引き受けた林業経営体に改善の必要がある場合(要件に該当する場合)に事
業実施主体から発出され、都道府県も意⾒を出せることになっているが、定着率の改善に関して以下の問題が認められる。
○(1)の選定での指摘と同様に、事業実施主体の内規において定着率に係る要件に⼈数要件を追加して設定しているため、そもそも「改善措置意⾒の通知」の
対象となり得る林業経営体が少なく、問題のある林業経営体の捕捉・改善につながりづらい。また、事業実施主体の運⽤通知によれば、離職者の算出について、
他の林業経営体に移籍した者を除くことができるほか、「経営体からの退職理由が当該経営体の責によらない相当事由として、本会が認めたもの」を除いており、
⼈数の算出⾃体も緩和している。
○また、意⾒通知が発出された場合においても、審査が⼗分に機能していないと⾒られる事例も存在した。 2年連続で研修⽣の離職に関して「改善措置通知」が
出された林業経営体の提出した「基本的に地元従業員を採⽤する」、「雇⽤条件を改善する(⽇給から⽉給への変更)」との改善⽅針について、1年⽬の改善措
置で改善できていない理由等を分析することなく、事業実施主体は2年⽬の改善⽅針を漫然と承認している。なお、上記事案では県からの意⾒も出されているが、
事業実施主体と同様に1年⽬が達成できなかった点を考慮することなく林業経営体の改善⽅針と同内容の意⾒にとどまっている。
○なお、FW研修の改善措置に係る都道府県からの意⾒は任意となっており、そ
もそも都道府県が関与していない事案も散⾒される。その要因としては、「林業
労働⼒の確保の促進に関する法律」に基づく都道府県による林業経営体の認定が
FW研修の採択要件になっているが、この認定以外は、基本的に都道府県が関与
しないものとなっており、集合研修に林業⼤学校が絡む都道府県を除き、各都道
府県の担当者はFW研修について主体的に関与・把握していないためである。
【図4】都道府県別のFW研修⽣の定着率(n=1001)
○他⽅で、平成30〜令和4年度までのFW研修⽣の定着率について、都道府県別
にみると5県(7団体)で定着率が他県を⼤きく下回る⽔準【図4】となってお
り、⼀部の都道府県においては、林業従事者確保の観点から都道府県も関与して
是正する必要性があると考えられる。
<改善措置意⾒>
改善措置意⾒の通知件数
研修⽣の定着要件分
該当5県
R2
27
20
5
R3
17
12
4
R4
17
16
1
R5
11
8
1
合計
72
56
11
④今後の改善点・検討の⽅向性
FW研修の林業経営体選定と改善について
○FW研修の受⼊れ先林業経営体の選定に当たっては、定着率を改善させるためにも適切な選定を⾏うべきであり、事業実施主体の内規等で緩和されている内容に
ついては、現状の研修⽣受⼊れ⼈数等を踏まえて、募集前から9割以上の林業経営体が完全には該当し得ないような要件ではなく、林業従事者の確保の観点から定
着率が⾼い林業経営体や低い林業経営体の特徴を分析し、定着率に係る有効性のある要件設定を検討すべきである。
○また、「改善措置意⾒」に関しても、上記の⾒直しと合わせて定着率に係る発出基準を⾒直すとともに、改善措置意⾒の通知に対する各林業経営体からの改善⽅
針については、現状任意となっている都道府県からの意⾒聴取を実効性のあるものに⾒直すなど、運⽤改善を図るべきである。運⽤改善にあたっては、事業実施主
体任せにするのではなく、離職率の⾼い林業経営体の特徴、特に定着率の⾼い都道府県の実績や各林業経営体の改善措置に係る具体的な事例等を検証し、事業実施
主体が林業経営体を適切に監督・指導できるよう指針を⽰すべきである。
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