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参考資料7 令和6年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59173.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第147回 6/26)《厚生労働省》
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6-3 施設従事者虐待に関する重篤事例対応を行った自治体に対するヒアリング調査
■事例:法人及び職員による複合的な放棄・放置(ネグレクト)が確認された事例
本事例は、被虐待者が転倒による事故で死亡した事例。本事例を検証した結果、都道府
県による積極的な関与が同様の事例の再発防止につながると考え、本事例から得られた教
訓をもとに、虐待対応として求められることや対応上の留意点を記載する。
6-3-1

事例概要



被虐待者は障害者支援施設に入所していた。入所当初から歩行時にふらつきがみ
られ、特に寝起き(夜間)時に転倒することもあった。



ある日の夜間、被虐待者が廊下で約 1 時間の間に複数回転倒し、翌朝、救急搬送
され、同日死亡が確認された。



約 1 カ月後、法人から支給決定自治体、都道府県に事故報告書が提出された。



その 1 週間後、自治体に対し、関係者から、事案発生時の施設職員等の対応につ
いて虐待の疑いがあるとの通報あり。その直後から、支給決定自治体、都道府県
とで事実確認調査を実施。転倒した被虐待者に対して適切な支援を行っていない
こと、入所時からふらつきがあることを把握していたにもかかわらず、転倒のリ
スクを考慮した個別支援計画の作成、利用者の状態変化に応じたアセスメントの



実施、個別支援計画の見直しがされていなかったことから、支給決定自治体によ
り虐待と判断(放棄・放置)

同障害者支援施設を運営している法人では、本事例も含め、複数回、法人内の施
設・事業所において虐待が発生し、改善計画の作成・取組の実施を行っている。

6-3-2 事実と課題
(1)市役所の障害福祉相談窓口、その他の相談窓口・機関における事実と課題
・虐待者 A は、障害福祉以外の分野で施設勤務経験があり、同法人同施設におけ
る勤務は 3 年弱。
・同日夜間、1 人で当該ユニットの夜勤を行っていた。
事実

・同日夜間、被虐待者が廊下に自ら出てきて約 1 時間の間に複数回転倒。
・虐待者 A はその都度被虐待者の傍に近寄るものの、転倒した被虐待者に対して
適切な支援を行わず、転倒の状況等について適切に担当職員に引き継いでいな
かった。
・虐待者 A は転倒した被虐待者の状態に応じた支援を怠った。

課題

・また、事故発生時の対応を理解しておらず、複数回の転倒後及び早朝の申し送
り時に、転倒について適切に引継ぎを行わなかった。

(2)被虐待者の転倒に関する施設長(虐待者 B)における事実と課題
・被虐待者は、入所当初から歩行時にふらつきがみられていたものの、転倒防止
事実

のための個別支援計画の作成、見直しもなされていなかった(昼間のヘッドギ
アの着用、離床センサーで連絡がなされた場合の対応についての記載のみ)


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