参考資料7 令和6年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (94 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59173.html |
出典情報 | 社会保障審議会 障害者部会(第147回 6/26)《厚生労働省》 |
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は、養護者に対して適切な支援を行うことが虐待の未然防止(同様の事例の再発防止)を
可能とすることへの理解が重要である6。したがって、障害者虐待防止担当部署において
は、庁内への障害者虐待の未然防止・養護者支援に向けた庁内の情報共有や連携体制整
備、そのための理解促進に向けた働きかけを期待したい。
(2)虐待の未然防止(同様の事例の再発防止)に向けた振り返りの実施
「市町村・都道府県手引き」では、「重篤な障害者虐待事案の検証等の重要性」とし
て、「死亡やそこに至らないまでも生命・身体等に重大な影響があった障害者虐待事案が
発生した場合は、事態が収束した後、できる限り速やかに発生した障害者虐待事案の検証
を実施します。
」と記載されている7。
一方、本事例は、他自治体からの転居等により、行政による継続的なかかわりがない事
例だったことや被虐待者が死亡したこと、殺人事件となり虐待者への聞き取りが困難なこ
とから、虐待対応終結と判断し、虐待対応という観点での振り返りは行っていない。
仮に、本事例のように、相談から虐待発生までの間に行政による継続的なかかわりがな
い事例が殺害という最悪の事態に至ることがあることをふまえると、福祉相談対応のどこ
かの時点で虐待の発生を防止することができなかったかを分析・検証し、必要な再発防止
策を検討することが重要である。
そのため、本事例のように、虐待防止対応部署が継続的に関与していない場合や、被虐
待者や虐待者への聞き取りが困難な場合であっても、また、「市町村・都道府県手引き」
で例示されているような、学識経験者や弁護士といった専門的な知見をもつ者や当事者団
体の代表者といった外部の者(当該事例に直接関与した、ないし直接関与すべきであった
組織の者以外の者)が参画した大掛かりな検証委員会を設置しなくても、庁内外関係部
署・機関間において、早期発見、対応、情報共有や連携等の重要性の認識の共有ととも
に、各部署・機関が行った対応が起こりうる虐待リスクを想定したものだったか、同様の
事例の再発防止という観点で改善点はないかという振り返りの実施がなされることが期待
される。
6
前掲 1,p.39。他にも全国手をつなぐ育成会連合会 HP では、
「障害のある人のいる世帯のハイリスク状態を確認
するチェックリスト」を公表している(http://zen-iku.jp/checklist/)
。
7
前掲 1,p.36
90