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参考資料7 令和6年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (151 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59173.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第147回 6/26)《厚生労働省》
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れるが、根本的な人材不足の解決については、事業所に対して減算等で圧力をかけるのみではなく、
報酬の見直しにより、良質な人材が集まり、障がい福祉のプロとしての誇りをもって仕事に臨める環
境の整備が欠かせない。虐待防止・障がい者の権利擁護に向けて国には前向きに検討していただきた
い。
福祉・介護人材が不足しているため、各事業所が正規の職員や夜勤対応できる職員を確保するのが困
難になっている。事業所は委託や派遣、最近では短時間雇用により基準を満たそうとするが、これら
の従業者は、無資格・未経験であったり、研修や個別支援計画の確認、OJT もなく突然配置されること
が少なくなく、虐待のリスクは高まり続けている。
共同生活援助における虐待件数が増加しているが、そもそもの人員不足や支援技術が十分ある職員が
少ないこと、人員配置の基準や報酬上の課題もあり複数職員が同時に勤務できる時間帯が短く職員同
士で支援技術の共有や向上がされにくい環境等もあって、結果的に行動障害のある利用者に対して、
職員が虐待行為を行い、その職員は辞めていくという悪循環がみられる。
療養介護特有の難しさ
療養介護は重度の精神疾患の方が多く、強度行動障害の方も多い事から虐待が発生しやすい環境にあ
る印象。また、医療が関わる分野でもあるため、医療との兼ね合いの難しさもある。
療養介護では、利用されている障害のある方について医療的なケアが必要な方も多く、医学的な視点
も虐待対応において必要になることがある(医学的に必要なことなのか、虐待行為といえるのか
等)。また、利用者の生活支援をする職員の他、看護師やリハビリ、医師等の様々な職種が連携して
支援しているため、職種間での考え方の相違等が生じやすく、職員間のいがみ合いが通報につながる
ような事案も見られる。
障害者支援施設や療養介護では、施設長(管理者)が他の事業所・施設の管理者を兼務していて、支
援現場に携わらない場合があり、現場職員との温度差や認識の違いが大きいケースが多いと感じる。
医療法人を母体とする入所系サービスの場合、医療の延長という認識が強く、障がい福祉サービスで
あることの認識が低いように感じられ、極力外部へ漏らすことなく法人内での問題解決をよしとして
いるように感じる。
継続利用の必要性
被虐待者の安全確保を考えるが、簡単に他の施設は見つからず、本人の安否を確認した後も、当該施
設での生活をお願いしなければならないこと。また、知的障害者等の強度行動障害がある方について
は施設を移動する事がストレスとなること。
家族が虐待の事実を知りながら、現状は他に受け入れ施設がなく在宅での生活が困難等の理由によ
り、県や市町村に対応を求めない場合が困難と感じる。
本人への聞き取り調査等の難しさ
利用者の障害程度が重いことから利用者自身からの証言が得られないことが多く、虐待判断におい
て、職員からの証言が得られなかった場合に、困難が伴うと考えられる。
疑い通報の際は、利用者と施設職員の関係性が壊れないような聞き取り対応に困難さあり。
GH について、本人の自立や社会参加を促すための世話人の助言が利用者にとって不満な内容である
と、心理的な虐待を受けたといった通報につながるケースが多い。事実確認調査で状況を聴きとると
本人側にも改善すべき点がある場合もあり、施設側としては虐待の疑いで調査されることに不満を示
すこともある。
事実確認の際に、日中は通所をしている方がほとんどであるため、利用者への聞き取りが難しい。基
本的には通所先で実施するか、帰宅後の夕方に実施するしかない。任意の協力になるため、その日は
通所をしないようにとお願いするのも難しいので。
調査日程の難しさ
職員が交代勤務であるため、全職員からの聞き取りに時間がかかる。
職員数の多い事業所・施設の場合、上述の日程調整の困難さもあり、ヒアリングにおいて職員 1 人当
たりに割ける時間が短くなりやすく、十分な情報が得られないことがある。
連携調整の難しさ

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