参考資料7 令和6年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (145 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59173.html |
出典情報 | 社会保障審議会 障害者部会(第147回 6/26)《厚生労働省》 |
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ながるような情報がつかめないことがある。
本人や通報者が施設には言わないでくれ、通報したが対応は不要等と調査を拒む場合、本人が関わり
を拒否している場合等の関係構築及び介入が難しい。
虐待者(疑い含む)と被虐待者(疑い含む)が特定されている通報を受理しても、事実確認の際、核
心部分に触れることで、通報者が誰なのか事業所側に予測されてしまう場合がある。通報者秘匿を順
守する必要があるため、事実確認においても虐待の核心部分に触れることができず曖昧な質問事項に
なり、その結果虐待認定に及ばない事例も出てくるのが実情。
事実確認調査時、通報者が特定されるような情報を市町村が明かすことはないが、調査を進めても、
具体的な虐待が疑われる行為について通報者以外から情報として得られなかった際、事業所等がはぐ
らかしている可能性があると、具体的な状況等を説明してより詳しい調査をしたいと考えた時、その
情報を通報者しか知りえない場合(例えば、勤務上、情報源が特定されるような場合)、事業所等か
らの報復(通報者に不利益な対応がされる等)に不安がある場合、明確な通報者を保護する仕組みが
ない。
虐待者退職時の難しさ
事実確認調査前に虐待者が自主退職するケースが多く、虐待者への十分なヒアリングが難しい場合が
ある。
虐待行為(疑い含む)が発覚した際に、すでに当該職員が事業所を退職しているケースも多く、既に
辞めた職員に連絡を取る場合に、連絡自体を拒否されたり、間に弁護士が介入したりと虐待者(疑
い)に直接調査を行うこと自体が難しい場合がある。
不平・不満による通報
事業所・施設との関係が拗れた職員・利用者等が何らかのペナルティが課されることを期待して通報
してくることがあり、調査の進捗や結果について言及してくる場合がある。
退職した職員による虚偽の通報が数件あった。背景に、通報者自身が不適切な支援をしていて上司に
指導されたことに対する腹いせや、賃金面の不満がある様子だった。施設自体は虐待防止の取り組み
を積極的に行っているが、虚偽の通報であるにも関わらず複数の市町村による調査が入ることに非常
にストレスを感じ、職員の士気が下がるとの声があった。通報の段階では虚偽であるかの判断がつか
ないため、施設に対し調査の協力をお願いするのだが、施設と行政の双方に負担が大きいと感じる。
施設・事業所の意識による影響
虐待となる行為について、施設により判断基準(線引き)が異なるように感じる。特に強度行動障害
がある利用者が多い施設の場合、日常的に難しい支援が続くため、虐待と判断される基準が高くなっ
ているのではないかと思うことがある。
事業所によって虐待防止に向き合う姿勢や取り組み、職員の虐待に対する意識の差がある。聞き取り
が難しいと感じるケースがある。
事実確認調査に事業所の幹部が非協力であり、過去に恫喝されたこともあった。
緊急でない場合は、施設に調査依頼(日程調整)を行うことがあるが、施設の方が先に職員に対して
聞き取り調査を行ってしまい、職員が追い込まれるなどし、平等な形での調査を行えないことがあ
る。
調査の範囲、日数、体制に関する難しさ
事実確認においては調整等を施設に依頼するが、虐待の認識が薄い施設においては非協力的である。
調査日についても、運営を妨げない日に設定する必要がありスムーズに対応できない。
多くの人に聞き取りを行う場合、調査員の確保が難しい。
事実確認調査は、「日本社会福祉士会」が作成した調査票を基本とし、内容を少し調整しながら使用
している。虐待等の確認の他にも虐待防止の取り組みや職場環境等も網羅されており、虐待が起きて
しまった背景の分析にも適している。しかし、調査項目が多岐にわたり、調査に 1 人 1 時間以上かか
る場合もあり、聞き取り調査を行う職員の調整や記録作成が大変。
市町単独調査の場合、職員が少ないため、調査に想定以上の時間がかかる。
虐待の有無の判断の難しさ
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