各論

第４章

保健所等の地域保健の体制

第１節

サーベイランス体制

や保健所等が HER-SYS に発生届の内容等を入力、②保健所において、本人がアプリ
を利用していることを確認の上、陽性登録に同意する場合に、HER-SYS から手動で
処理番号を発行し 245、本人に SMS 又はメールで通知する仕組みとなっていた。しか
しながら、保健所の業務ひっ迫などから、陽性登録の同意取得まで手が回らず、陽性
登録が進んでいない状況であった。
このため、厚生労働省は、７月から、HER-SYS に搭載された機能である My HERSYS や自動架電等を活用して、アプリの利用者に対して、陽性登録のための同意取得
と処理番号発行を自動で行う仕組みを導入した。また、９月 27 日のアドバイザリー
ボードにおいて、陽性登録をより一層進めるため、全ての陽性者について、HER-SYS
に発生届の内容等が入力された段階で、自動で処理番号を発行する仕組みを導入する
方針を提示し、システム改修等の作業を進めた。
（HER-SYS データの利活用等）
HER-SYS のデータに関し、実際の活用の場面を増やすため、感染症発生動向等の
情報について、９月 13 日から、厚生労働省は、地方公共団体公表データを集計して
いたものから HER-SYS のデータへ切り替え、HER-SYS のデータをアドバイザリー
ボードの資料として活用する等の取組を進めた。
また、夏の感染拡大が収束した後の 10 月８日、次の感染拡大に備えて、医療機関
の登録のため計画的に ID 付与を行うよう依頼した。
（デルタ株監視のための変異株 PCR 検査の終了）
全国的にデルタ株に置き換わったことを踏まえ 246、10 月 25 日、厚生労働省は、都
道府県等に対して、デルタ株監視のために実施していた変異株 PCR 検査を終了し 247、
様々な変異株の発生動向を広く監視するため、ゲノム解析を中心としたサーベイラン
ス体制に移行するよう周知した。
（次の局面に向けた課題）
○ HER-SYS の都道府県等や医療機関での利用の促進、データの精度向上と利活
用、国の情報基盤の強化に向けた更なる取組
特に、重症化や死亡といった転帰情報や感染源などの把握のため、HER-SYS の
データ項目の入力の徹底、医療機関の入力負荷軽減のための電子カルテ情報等と
HER-SYS の ID 管理画面において、「COCOA 処理番号発行」のボタンをクリックすること
で発行。
246
L452R 変異株 PCR 検査の陽性率は、2021 年８月中旬以降、全国平均で８割を超える状況と
なっていた。
247
デルタ株以外の新たな懸念される変異株が発生し、変異株 PCR 検査が必要となった場合に、
迅速に検査を再開できる体制を維持することとされた。
245

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