【資料1-1】令和8年度研究事業実施方針(案)(厚生労働科学研究) (60 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57788.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 科学技術部会(第144回 5/14)《厚生労働省》 |
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〈臓器・組織移植分野〉
医療従事者の行動変容、家族等への臓器提供についての普及啓発の方策、さらに、移
植医療の病院間連携の構築を行う。これらの取組により、臓器提供・あっせん・移植の
プロセスを効率化し、臓器・組織の提供・移植を希望する患者の機会損失を防止する。
〈造血幹細胞移植分野〉
若年ドナーが造血幹細胞を提供しやすい環境、骨髄・末梢血幹細胞の効率的な提供体
制、より良質な臍帯血の確保・調製保存体制等が整備され、移植を必要とする患者に適
切なタイミングで造血幹細胞を提供する機会が確保される。また、コーディネート期間
の短縮、移植源の選択や合併症の予防・治療等の移植医療に関する科学的知見の共有に
より、治療成績の向上に資する。
(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
〈臓器・組織移植分野〉
【課題名】臓器・組織移植医療における医療者の負担軽減、環境改善に資する研究(令
和7年度終了予定)
【概要】臓器・組織移植医療は、提供施設及び移植実施施設の多くの関係者が関与する
が、そのプロセスの中において、一部の医療者に負担が集中し、持続可能な体制が構築
されているとは言えない。本研究は、将来的に臓器・組織提供数が増加した際にも持続
可能な移植医療を提供するため、現状のプロセスにおける負担軽減や環境改善を推進す
る体制の構築に向けた提言を行った。
【成果の活用】入院時重症患者対応メディエーターの育成を行った。令和4年度診療報
酬改定において、入院時重症患者メディエーターに関する重症患者初期支援充実加算の
新設につながった。
【課題名】脳死下・心停止後臓器提供に関わる医療の評価に関する研究(令和6年度終
了)
【概要】脳死下臓器提供数は増加傾向にある。しかし施設間・地域間の臓器提供数の差
が顕在化しており、特に腎移植において地域間格差が顕著に生じている。これを踏まえ、
臓器提供に関わる医療を客観的に評価する手法を確立し、臓器提供を行うに当たっての
障壁や、施設間・地域間格差の要因を解析した。
【成果の活用】研究成果を元に令和6年度の脳死下臓器提供に係る診療報酬の改定が行
われた。また救急・集中治療における終末期医療の提供体制が臓器提供実績につながる
ことが明らかになり、救急・集中治療における終末期医療のガイドラインの見直しが行
われた。
〈造血幹細胞移植分野〉
【課題名】適切な末梢血幹細胞採取法の確立及びその効率的な普及による非血縁者間末
梢血幹細胞移植の適切な提供体制構築と、それに伴う移植成績向上に資する研究(令和
4年度終了)
【概要】末梢血幹細胞採取の安全性向上と効率化によるドナー負担軽減を目的として、
採取における有害事象等を集約した教材を作成し、採取担当医師を対象にドナー安全研
修を行った。また骨髄バンクが発出した緊急安全情報、医療委員会(主治医等から受け
た、患者の移植適応や幹細胞に関する相談等を審議する骨髄バンクの委員会)への通知
等を Web データベースとして一元化し、過去の事例を検索できるシステムを構築した。
さらに、ドナー適格性判定基準を Web 化し、公開した。
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